ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん110…丸の内 『ラ・メゾン・ド・ショコラ』の、季節限定フレーバートリュフ

2007年11月21日 | ◆町で見つけたオモシロごはん


 
 著名な料理評論家の方が勧める、東京の店百軒の本で紹介している店から、予算的に行ける30軒巡りを、その後も続けている。30軒に絞っても、予算的には普段自分が飲食する店よりは高いところばかり。食べ歩きのペースも遅く、財布にもなかなかきついけど、本にかかわった責務(?)としてがんばらねばなるまい。

 で、先日有楽町駅から日比谷方面へと歩いていく途中、たまたま本で紹介された店の前を通りかかったので、ちょっと立ち寄ることに。今回は飲食店ではなく洋菓子の店で、丸の内の新国際ビルに入っている『ラ・メゾン・デュ・ショコラ丸の内店』である。本によると、パリの有名なチョコレートブティックの日本初出店とある。
 紹介されていたのはガトーショコラのような600円ほどのケーキで、それならお茶受け用のお菓子の感覚で買っていけそうだ。ここを2軒目の掲載店訪問に決めて扉をくぐると、チョコレート「ブティック」の名の通り、店内はまるでバッグやアクセサリーの高級ブティックのような雰囲気が漂う。左右に伸びるショーケースには、形や装飾が様々の小粒のチョコレートが数々並んでいて、これまたジュエリーショップのようでもある。



まるで高級ブティックのような店頭


 そして値段のほうも、店内の雰囲気同様で思わず絶句。小さな板チョコが数片入り、トリュフが数粒入りの小袋でも、数千円の値段が付いている。中には「きのこの山」ぐらいの大きさの箱に入った詰め合わせで、5000円近くするものも。数百円程度の菓子を適当に買おうと思っていたが、値段が3桁の商品はほとんど見あたらない。
 一番安い板チョコのあたりをうろうろしていると、「どうぞ、よろしければ味を見てみてください」と、銀のトレイにのったトリュフが差し出された。店の女性も、パティスリーの店員というよりはブティックのマヌカンといった感じである。

 これひと粒でも数百円するんだろうな、などと思いながらひと口つまむと、表面にカカオらしいパウダーがかかったトリュフで、外側はカリッ、中はしっとりと生チョコらしい食感。最近カカオの量が多いチョコが流行している影響で、これもあまり甘くないのかと思ったら、しっかりと甘みが強く、優しいホッとする甘さである。
 女性によると、表面はカカオパウダーではなくキャラメルで、中のチョコよりも鋭く強い甘みに、香ばしい香りがする。「キャラメルトリュフです。この冬限定の3種のフレーバートリュフのひとつです」とのこと。



季節限定のフレーバートリュフのひとつ・キャラメルトリュフ。甘みが爽やか


 トリュフの試食でちょっとひと息ついて落ち着いたこともあり、勧められた品物を見てみようと、案内されて隣のショーケースへと足を運んでみる。こちらに、先ほど紹介された3種のフレーバートリュフが並んでいる。試食したキャラメルのほか、モカフレーバーにアプリコットフレーバーで、いずれも7粒、50グラム入りで値段は1700円とある。
 当初思い描いていた予算からは、はるかにオーバーしてしまうけれど、お勧めもあり、手が出ない値段でもないか、と、思い切ってこれに決めることに。支払いの間、さらにもうひとつチョコレートを勧められ、高価な店だけど気前がいいのはうれしい限り。こちらはバレンシアのボンボンショコラ、とのことで、名前の通りオレンジの爽やかな酸味とチョコの濃厚な甘みがマッチして、なかなかおいしい。背面奥側のショーケースには、このボンボンショコラがずらりと並んでいて、まるで宝石のようだ。

 
支払いを済ませると、レジカウンターからこちらへ回って、洒落た紙袋に入れられたトリュフを手渡される。さらに出口へと案内され、ドアを開けて見送っくれた。これまた、宝石やブティックで買い物したような高級感が感じられる。袋に入れられた商品カタログによると、「自由な発想による創作チョコレート」と記されており、様々な味のショコラやトリュフ、ガナッシュの詰め合わせが紹介されている。
 それにしても、カタログにあるギフトで、一番安いものでも税込み5000円以下から。このフレーバートリュフは、190グラム入りで何と、6950円とある。さっき試食したトリュフはひと粒あたり250円弱だから、これ一粒で「きのこの山」が一箱買えてしまう… などと考えていては、気軽に今夜のお茶受けに使えなくなってしまうか? (200710月4日食記)