ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

精神病薬

2023年07月12日 | 精神障害

 最近、なんとなく精神的に弱ってきていることは何度かこのブログで報告しました。
 うつとか躁とか、分かりやすい症状ではなく、気持ちが焦り、焦るがゆえにかえって仕事に手が付かないという困った状況です。
 出勤は続けており、焦燥感を感じながらも最低限のことはこなし、ダメだと思ったら担当関係なしに若い部下に振っています。
 こんなことを続けていたら、いわゆる働かないおじさんに認定されてしまうでしょう。

 最近、記憶力が落ちてきたと感じます。
 自分でやった仕事ですら、細かい部分を覚えていなかったりします。

 10年前には考えられなかった事態です。

 また、ここ数年の間に就職してきた若い人たちの顔と名前が一致しません。
 これはマスク着用が3年にも渡って続いていることが大きな理由でしょう。

 また、今はマスクの着用は個人の判断にゆだねられていますが、日本人特有の同調圧力のせいか、マスクを着用している者のほうが圧倒的に多い状況です。
 もちろん天邪鬼の私はマスクの着用が任意とされたその瞬間からマスクを外し、ゴミ箱に放り込みました。

 これは快感でしたね。

 マスク着用を続けたことと、会議や打ち合わせがほとんどオンラインになったことは、私の精神状態を悪化させる大きな要因になったと感じています。
 目から上しか見えない、いわば仮面をかぶったような人々の群れを見、しかも自分もそれに加わっていることは、疾病流行のためとはいえ、不気味で、気持ちの悪いものでした。
 また、オンラインによる会議は便利なものですが、対面で話すと人の脳は活発に動き出すのに、オンラインではあまり動かないそうです。
 そういった人間の情動がある一瞬を境に断ち切られたことも大きいと思います。

 仮面をかぶった人々の群れ、心通わぬ打合せや会議の連続は私を不安に陥れ、社交不安とでも呼ぶべき状態に至ってしまいました。

 精神科は代替わりで主治医が変わったばかりですが、前の主治医も今の主治医も、マスクの長期着用は精神疾患を抱える者だけではなく、精神的に健康である人々にも影響を与えている、とびおさんはもともと精神疾患があるのだからその影響を受けるのは当然で、様子を見る以外方法は無い、と言います。

 精神病治療はここ数十年でたくさんの薬が開発され、その効き目はかつての物にくらべて刮目すべき効果を上げています。
 薬の調節がうまくいけば、大抵の精神病は寛解にまで至ります。
 しかし服薬による治療は対症療法であり、根本的な治療ではありません。

 認知行動療法とか、森田療法とか、タッピングとか、根本治療を謳う治療法もありますが、私にはまったく効果がありませんでした。
 これらの治療法で快癒する人がいるのは事実のようですが、私にとっては質の悪い新興宗教のようなものでした。

 

 

 私には、西洋医学による服薬治療だけが頼りで、だからこそ今現在の危機にも薬で対抗しようと思ったのですが、主治医が言うには、抗うつ薬を使うしかないが、うつ病ならともかく、双極性障害の患者に抗うつ薬を投与すると躁転してしまう可能性があるため使えない、とのことでした。
 そもそも躁転のきっかけの一つは、うつ病と診断されて抗うつ薬を大量に投与したことにある、とか。

 私は今躁状態もうつ状態も抑える気分安定薬と、もともとは幻覚や幻聴、妄想等を抑えるため、主に統合失調症患者に処方されていたところ、双極性障害の気分の浮き沈みを緩和する作用があることが判明した抗精神病薬、それに不安や緊張を抑える抗不安薬を飲んでいます。
 これに抗うつ薬を加えることは、精神科医によって見解は異なるようですが、一般的には禁忌とされているそうです。 

 ということは、今までどおり気分安定薬、抗精神病薬、抗不安薬の3種類で現在の危機に立ち向かわざるを得ず、正直自信がありません。
 躁転が少しでも疑われる事態に至ったらすぐに服用を中止する、という条件で抗うつ薬を処方してほしいと思っているのですが、それは治療方針の大転換であり、検討する余地はあるが最低数か月は様子を見る必要がある、と新主治医は言っていました。

 精神病発症から18年。
 寛解に至って15年くらい経ちますが、精神というか脳というか、心の偏りは簡単には良くならないもののようです。

 やれやれ。


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