ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

そのこだわりが舞台を救う!

2015-05-25 10:22:03 | シニア演劇
 遅いんだけど、とっつても遅れてるんだけど、装置のチェックと手直しが終わった。なんと本番一週間前!

 このところ続いているように、装置については使い回しだ。装置作りのプロが辞めてしまったのか非情に痛い。やはり好きでばりばりこつこつやってくれる人間がいないと、まともな装置は作れない。経験積めばシニアだって、とも思うのだが、適当な図面や台本の指示から、具体的にイメージを仕上げて完成まで行き着くには、若さのバイタリティがものを言うようだ、もちろん、センスと技術もね。

 今回『とりかえばや もっか 13』に使うのは、前回菜の花座公演『夢金らぷそでぃ』で作った半月型オブジェ。半割の角材と塩ビ管で骨組みを作り表面に和紙を貼ったもので、SUSや後ろからのコロガシで様々に色染めして雰囲気を出す。『とりかえばや』のメルヘン風の舞台にはけっこうマッチするんじゃないかと思っている。



 『夢金らぷそでぃ』では、傾けたり斜めに吊ったりして変化をつけたのだが、今回は縦軸が垂直に立つようにして使用する。王宮の柱列のイメージだ。片側に重心が偏っているものをまっすぐ立てるてのは、意外と難しい。バトンにワイヤーで吊って、下部を舞台に釘打ちで固定すればなんとかなるか、と思ってやってみたら、やっぱりダメ。重心のある円弧部分傾いてしまう。そこで工夫は、下部に固定用の角材を打ち、それを舞台に固定することにした。

 もう一つの問題は、二つの装置を同じバトンに吊ることだ。高さが適当でいいなら簡単だけど、ぴったり同じ高さに合わせるてのは、なかなかに難しい。ワイヤーの長さを同じにして、装置との固定部分のねじ釘を何度も何度も微調整して、どうにか4本の半月が舞台に立った。仙台でのリハーサルは1時間半、本番の仕込みは20分と高校演劇なみなので、きっちりと作り上げておかなくてはならない、だからかなり几帳面に作業をした。ボーダーライトの素明かりだと、ぱっとしないが、照明さんが怪しく彩ってくれることだろう。

 もう一つの使い回しは階段。菜の花座、置農、プラザ、それぞれが階段を持ち合わせているので、どんな階段でも融通がきく。今回は菜の花座製作の5尺×4尺で2尺1寸上がりのものを使うことにした。これを今回の作品に相応しい彩色を施す。僕の思惑では、まぁ適当に図柄描いて色塗ればいいさ、って程度のものだったのだが、担当のミカさんは、やるとなると徹底してこだわる人。

 まず、何種類かの模様をネットから拾い出してきて、その中から最適なものを選び出す。次にその絵柄を拡大コピーして下絵を作る。その下絵をカーボン紙をはさんで階段に張り、上から鉛筆で丁寧になぞる。それからやおら周囲の色染めをし、最後に図柄を細筆で描いていく。うわーっ!いい加減者にゃとっても出来ない緻密な作業だ。まるで、古典的名画の復元作業のようだ。



 朝から掛かった作業、目論見としては、午後の早い時間帯に終わらせて、あとはひたすら稽古、稽古のつもりだったのだが、結局完成は5時前、稽古の遅れが気になる演出としては、大いにやきもきしたが、仕上がった階段を見れば、これは見事な芸術品?今回の舞台で唯一手間暇掛けた装置なわけで、王宮の中央にどでんと据え置かれれば、これはきっと芝居をいやが上にも盛り上げてくれるに違いない。

 こだわりが舞台を救う!どんな仕事だって、その気持ちで取り組みたいもんだよなぁ。

 

 





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