桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

時代は変わった!

2012-07-25 | Weblog
虫歯が出来て、長くなる。金はないし、行けずにいて、金の心配がなくなった後は、今度は信頼出来る歯医者を探して大変だった。
かなり前に、水戸の歯医者を教えられて、何回も行ったが、行くたびに休診。やっと開業してるところに行けば、「何時開き、何時休むかは判らない」
諦めたが、東京の虎ノ門に良い歯医者がいると紹介されて、今日、行った。
いゃあ、時代は変わったねえ。
昔のように、何度も虫歯の治療に通うのだと思っていたらば、幸いにも神経に届いていなかった歯は、悪いところを削り、アッという間に資材で穴を埋めて終わり。
驚いたなぁ。
これから通って悪い部分を徹底的に治すが、技術の進歩を体感した今日だった。

添付忘れ

2012-07-25 | Weblog

布川事件守る会が解散し、救援会からも撤収したが、長い闘いに積み上げられた荷物は、実に多かった。
この写真は、俺が家に持ち帰る資料と廃棄する資料類だ。
ゴミ箱前に山と積まれた廃棄物。凄いよね。

当然だが

2012-07-25 | Weblog
東電OL殺人事件の再審開始決定に対する検察の異議申し立てがあり、この後に及んで「ゴビンダさんは犯人だ」と主張し続ける検察の悪足掻きには、ただただ呆れりばかりだが、その異議申し立てに対する裁判所の判断が7月31日に出されるらしい。
余りにも素早い裁判所の決定には驚くが、その素早さには、裁判所の検察に対する思いが感じられるね。
「何をやってるんだ、いい加減にしろ!」と、裁判所が検察に対する怒りすら持っているのではないかと感じるのは、俺だけだろうか。
被害者の身体に遺された体液を隠し続けた不正行為、しかも、その体液がゴビンダさんのDNAと一致しない鑑定結果が出ると、「違う場所で、違う人が被害者と性交渉をしたもの」などと主張する非常識、これらに裁判所が怒った結果が、この前例のない短時間での決定日となったのだろう。当然だが、当然のことを裁判所が行うようになったことは、少しだが裁判所は変わり始めたと感じる結果で、「検察の証拠を隠しを許すな、総ての証拠を裁判に出させる証拠開示法を作ろう」と求めて、この秋に俺が行う国家賠償裁判にも、必ず力になるだろうと思えて嬉しくなった。
戦前の検察には、起訴するかしないかの決定権しかなかった。取り調べをする権利すらなかったのだ。戦後の混乱期に、その混乱期を乗り越えるための手段として、「社会が安定したらば見直す」と言う条件付きで、証拠独占も含めた強大な力が検察に与えられたのだが、もう限界だろう。1度有罪と決めたらば、何があろうと犯人だと言い続ける非常識な検察から、その力を奪い、戦前のようにしなければ、とても裁判で正義は実現出来ない。
俺の国家賠償裁判の闘いに、冤罪作りを反省出来ない検察を戦前に戻そう!そして正しい裁判を取り戻そう!の訴えを加える。

テレビ朝日

2012-07-24 | Weblog
昨夜は、テレビ朝日で番組の収録があった。
ニュースの深層。
CS放送の「朝日ニューススターHD」で、26日夜11時10分から放送される。
「冤罪をなくすために」と題して、証拠開示と全面可視化について話した。
大谷昭宏さんとご一緒しての収録で、もう少し話したいことがあったけども、証拠開示と全面可視化については、段々と社会的に理解が深まると確信出来る時間を過ごして来た。
誰が考えても、検察官が自分の思惑だけで証拠を出したり、隠したりして、一度有罪と決めたらば無実に繋がる証拠を裁判に提出しないで良い、今の制度が間違っている。まだまだ検察の証拠独占や証拠隠しについて知らない人は多いが、こういう番組などを通して理解者を増やして行けば、必ず検察を変えることは出来るだろう。
CSだから見られる人は多くないかも知れないが、沢山の人に見て貰えると嬉しいね。

こういう人が変わってこそ

2012-07-23 | Weblog
先日のイジメ経験者の「石川さんを犯人と思うことで復讐」的なことを書かれた人の書き込みに応えたところ、その部分に、今度は確信犯的な書き込みがあった。
「共産党めっちゃ大嫌い」さんからだ。
共産党嫌い、多いよね。俺も、昔は大嫌いだった。全員一意なんて、本当に気持ち悪かった。今でも、全員一意なんて気持ち悪いし、そういう組織は嫌だねえ。教祖を先頭に全員一致!神を先頭に全員一致!嫌だねえ。
まあ共産党が嫌いでも、創価学会が嫌いでも、そんなことはどうでも構わない、思想信条は自由。しかし、狭山事件は違うねえ。
この方は「無実は有り得ない。1審では認めていた。2審から否認。死刑と言う言葉を知らないと言うし、一夫と偽名を書いている」と書いていた。
なぜ石川さんが1審で認めていたのか、控訴して否認に転じられたのか、この方は知らないようだ。
氷見事件や足利事件を見ても、裁判で認めることが犯人の証拠にならないことは、良く判ると思うが、「自分でやったと認めたのだから、犯人だ」と言いたいのだろうか?
死刑を知らないとか、一夫が偽名だとか、そんなことではなくて、もう少し事実を、証拠を見て欲しいねえ。
石川さんは、絶対に犯人ではないと、証拠が語っている。
石川さんは貧しい暮らしの中で学校に行けず、文字を書けなかった。警察官を信用して、騙されて嘘の自白をして裁判でも認めてしまったのだ。
俺も体験しているから、「共産党めっちゃ大嫌いさん」の気持ちは判る。何でやったと認めるのよ、やってなければ認めるはずはないと、そう考えるのは。
しかし、人間は弱い。警察の嘘や脅迫、暴力の調べを受けると、心が折れる時間が来るんですよ。そうして、嘘の自白が生まれてしまうんです。
昔の俺を見ているような書き込みだが、この方が証拠を見て、事実を知って、その上で思いを語ってくれるようになれば、裁判も社会も変わるんだよね。

ユウコさんのバラ

2012-07-22 | Weblog

甲府駅に着き、救援会の方に迎えられて会場へ行ったが、詩集にサインして欲しいと言われて書いていた。そこにバラの花束を持って来られた方が「話をさせて欲しい」と言う。
何だろう?と思ったらば、ユウコさんからのバラだと言う。
俺は仮釈放で社会に帰った後、感謝の印に救援会事務所に行くたび、バラを持って行ってる。救援会事務所が新橋からお茶の水に移転した後は、お茶の水駅構内にある花屋さんでバラを求めていたが、その花屋で働いていたのが、ユウコさん(佑子さんか祐子さんか、どっちだったろ?)。
長い間に話をするようになり、俺が自分の詩集をプレゼントしたこともあり、俺の立場を知ってくれたのだったか。
爽やかで「花が好きなんです」と語るユウコさんは、素朴さの感じる女性だったが、移動するとかで会わなくなった。
それが再審開始決定後、俺のブログに「テレビで見ました」の書き込みをくれて、結婚して1児の母親になっているのを知らせてくれたことがあったが、そのユウコさんを「私の甥と結婚して元気な子を産んでくれました。この花は、彼女からです!」と届けてくれたのだった。
嬉しかったねえ。
客と店員の出会いを忘れずに花束として届けてくれた、彼女の心が、本当にも嬉しかった。

中巨摩

2012-07-22 | Weblog
今日の甲府での集まりは、中巨摩地区の母親連絡会が主催したものだ。
ご連絡をくださった戸田さんと言う方が、絵手紙作家の田口孝夫さんの話を聞き、詩集を読み、俺を招いてくれたらしい。繋がりだねぇ。
150名は超えたろうか、会場に7割くらいの人が来てくれた。
何時も通りの話だが、今日は、最後にカラオケを流して3曲、唄った。
地元の新聞が取材に来ていて、歌が良かった!と言ってくれたが、ライブならば良いのかも知れないなぁ、俺の歌は。

救援会北上支部

2012-07-21 | Weblog
北上市に来るのは、初めてだった。俺たち世代には「北上夜曲」の地になるが、日本の駅前と言うのは、どこへ行っても変わりない。駅周辺にしか、高い建物がないのは、やはり地方だけども、ここが北上市!ってのは感じなかった。
救援会北上支部大会での話だったが、何時も通りに、なぜ冤罪が作られるのかを話した。
約1時間だが、この頃は、1時間では短く感じるようになった。
北陵クリニック事件の守大助の両親も来ていて、生きているうちに勝ちたいと訴えていたが、本当に。同じ世代の両親を思うと、そうしてあげたいと、しみじみ思った。
大助の父親は、元宮城県警察警部補。俺の話。「桜井さんの警察に付いての話は、みんな本当。なぜに警察は、そうするか」と加えてくれたので、俺の語る警察が職業病で冤罪を作ると話した中身が深まった。

年金

2012-07-21 | Weblog
昨日、俺のところにも年金を確認する手紙が来た。
16年前、仮釈放で帰って来たとき、利根町役場の係は「これから納めても貰えないから」と言うので、そんなものかと思った。
俺は年金を払った記憶がなかったが、ほんの数ヶ月ではあっても払った時期があったのかと判って驚いた。国賠裁判の中では、この無年金になったことも責任を問うが、昨日届いた年金便は、何かに役立つかねぇ。

辛い書き込み

2012-07-20 | Weblog
久しぶりに帰宅してブログを開いたらは、辛い書き込みがあった。
この方は、逆差別みたいな経験をされたそうで、ゆえに過去を許さないし、狭山事件の石川さんも真犯人だと思い続ける、とある。
小学生時代に、そのイジメ体験をされたそうだが、受けた痛みは消えない。私たちが無罪になった後でも、俺は殴られたことを赦せないと怒る人もあって、やった人は忘れても、やられた人は忘れられないのだと教えられた事実があるけど、きっと書き込みをされた人は、どんなに時が過ぎても癒されないほどの痛みや辛さを体験したのだろう。
赦さない、赦せない、きっと、そういうご自分が嫌になることもあるだろう、この人に俺が語れる言葉はないが、でも、そういう体験をされた方ならばこそ、でも、石川さんの真実は判ると言って頂きたい思いになる。
イジメは心に深い傷を刻むことになるのだから、絶対に許してはダメなんだよ。