桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

清廉潔白の士

2012-07-28 | Weblog
日本の警察は優秀で、それだから日本は治安が守られている、と言う声がある。嘘だよね。
日本の治安が良いのは、日本人の資質ゆえだ。日本人の資質は、先の東日本大震災のおりに、俺も体験した。
地震の激しい揺れに塀や物の壊れた道を、俺は、当時、住んでいた団地に帰った。信号は消えていた。警察官も立っていない交差点だっが、行き交う車は互いに道を譲り合い、何の問題もなく走っていた。誰一人としてクラクションなど、鳴らす人はいなかった。
歩いて自宅に戻る人たちも、その車の通る間を争わずに通り抜けていた。
あの感動は忘れられない。俺は、日本人は、高いモラルを持った民族だと、あの体験から思うのだが、それから考えて、今の組織に属する人たちの醜態が信じられないのだ。
昔から、先生は、あぁだったろうか?
昔から、役人は、あぁだったろうか?
昔から、警察官は、あぁだったろうか?
昔から、検察官は?、裁判官は?と、思ってしまう。
武士道精神を良いとは思わない。殿様のために命を投げ出す!その精神が天皇のために!となり、今は、組織のために!となっている、日本人の欠陥的資質に繋がってると思うからだ。しかし、私的に清廉であったことは間違いない。そして、戦後の日本の繁栄を築いて来た力は、私的思いを二の次にした多くの清廉な人たちだった。
この社会を作り、支えるのは、歴史に名前を遺す人ではなかろう。名前を知られずに生きて、自らの命を貫く人々だろうが、その人々が変わり始めたと感じる、多くの組織での醜態だ。
今日も警察のセクハラ事件が報じられていたが、日本の治安は、絶対に、こんな連中の組織で守られているのではない。

救援会全国大会

2012-07-28 | Weblog
今日から神戸で、全国から救援会員や闘っている人たちが集まって開かれる大会だ。
2年に1度の開催だから、俺が、初めて参加したのは1988年だった。でも、どこで開かれたのかなど、全く記憶に残っていない。これまで再審開始、抗告、特別抗告とあり、更に再審公判があって無罪になった経過もあって、布川事件が全国大会の中で挨拶するタイミングを失したところがあったけど、今回は無罪が確定しての大会。全国で支援してくださった皆さんへのお礼を言いたくて参加した。