桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

そうなんだ

2014-09-10 | Weblog

今日の東京新聞に、百田尚樹の書いた「永遠の〇」に付いて、加藤典洋氏が書いているのを読んだ。

「大波小波」に反論、とする文章だったが、これを読んで百田の小説に付いて理解できた。

「永遠の〇」は、「特攻隊の祖父の生き方を孫が語る」」形式の小説で、中身は「反戦的で感動的」に読めるモノらしい。でも、加藤氏は「これがくだらない、でたらめでセンチメンタルな好戦的なエンタメと言うだけでは足りない小説」という。「愚劣」と評したらしい。

特攻体験者の島尾敏雄氏と吉田満氏は「特攻体験ほど、イデオロギーと感動から遠いものはない」と語るようだ。それはそうだろう。命を懸けて飛行機で艦船に体当たりするのだ。実行するものに感動など、ある訳がない。その特攻を「感動として書く」百田を、加藤氏は「動製造機械」と言っているようだが、俺が胡散臭く感じるのは、これなのかと思った。

「言うは人によらず」とは、論語だったろうか。百田氏が語ろうと、誰が語ろうと、反戦平和は同じだが、百田氏の言動を見れば、彼が反戦平和の人のはずもなく、「特攻を描き、反戦を装って、感動を描き、好戦を煽る」、そこが問題なのだろうなあ。


頑張れ、朝日!

2014-09-10 | Weblog

俺は週刊誌は買わない主義。新聞の見出し広告を見れば、それで中味は判ると思っているので、冤罪のことでもなければ、先ず買わない。

今、週刊誌の見出しは、大体が「朝日新聞叩き」だねえ。桜井よしことかの国家主義者たちは、ますます勇ましく吠えている。確かに、従軍慰安婦問題での「吉田証言」問題での、長い月日の放置はまずいし、訂正も中途半端だったよね。そこに「池上問題」が続いて、見苦しいばかりの醜態だ。他紙は、ここぞとばかりに朝日攻撃をしている。

でもさ、世の中が産経新聞や読売新聞ばっかりになったらば、一体どうなるの。マスコミの任務は権力監視じゃないの。権力を応援したり、権力につながることに存在価値があるわけではないだろう。それでなくても日本人は、時の流れに弱くて、一億火の玉なんて状態に、一気に流されやすいのだ。

何時でも、何があっても権力の思惑に棹差すマスコミがいなくては、とてもじゃないが日本の未来もないだろう。

今の事態は、きっと朝日新聞の良心ある記者たちには、悔しくてたまらないことだろうが、これに負けずに頑張って欲しいものだ。俺は応援してるよ。