桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

馬鹿馬鹿しい話

2014-09-17 | Weblog
千葉刑務所にいたとき、曽野綾子が講演に来たことがある。カトリック信者だと言いながら、あれこれと神に付いてのご高説を語っていたが、話を聞きなさい!聞かせてやる!の姿勢がアリアリでウンザリしたことしか覚えていない。
佐藤愛子も来たことがあって、私の話でいいのかしら、と言った謙虚さを感じたけど、曽野綾子大先生は、全く違っていた。
知人のテレビディレクターの自殺に付いて、フラッシュ誌に掲載されていると知り、初めて買って読んだが、運が良いのか悪いのか、曽野綾子大先生と百田尚樹大先生の対談も掲載されていた。
その対談内容は予想通りで、自分の思想に都合の良い見方、偏見を語っているには感心した。さすがに大先生同士だと感じたが、俺は無知だけど刑務所のことは知ってる。刑務所の実態を知りもしない二人なのに、日本の格差社会に付いて「人権派が、日本は格差がひどい国だとか言っていますが、逆ですよ。だって、府中刑務所の中に人工透析室があるんですから。美人の看護師さんもいます」などと宣ってる。
刑務所に人工透析室があり、美人看護師がいると、なぜ差社会じゃなくなると言うのだろうか。曽野綾子大先生には失礼だが、バカじゃなかろうか、 と言いたくなった。
受けた百田先生も凄い。「聞いた話だが、死刑囚が病気になったんですよ。刑務所としては死刑にせなあかん。病死したらあかんから、2千万か3千万かけて、そいつを治したというんです。もう馬鹿馬鹿しくてねぇ。人権派が、どんどんええこと言うから、刑務所の環境が、ものすごく良くなってしまっているんです」と来た。まあ南京虐殺はなかったなどと言う奴だから、何を言っても不思議はないが、死にそうな病気になった死刑囚に2千万か3千万を使ったと言うのは、事実か!それに死刑囚を治療したことと刑務所の環境が良くなったこととは、どのような繋がる話なのだ!!
そもそも日本社会の格差と刑務所は、どこでどう繋がる話なのだろうか。
何時もいつも自分の思想だけが正しいと思う独尊は、こんな馬鹿げたことしか話せないのだろうが、刑務所の環境が良くなったなんて、怒るよ、刑務所にいる連中は。馬鹿馬鹿しいのは俺の方だよ、と言ってやりたいねぇ、この大先生たちに。

詩と朗読会

2014-09-17 | Weblog
今日は知り合いの開いている朗読会に来た。
プロの女性の朗読、高瀬舟を聴いたあと、発表したい参加者が、それぞれに自作や他作の詩、川柳、詩吟などを朗じて、最後に投票をするような内容だった。
それに加えて、主宰した堀川さんの独演会だったが、色々な経歴の人たちに会えて、会が終わった後の交流食事会も含めて、実に楽しい会だった。