桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

イワジロウの死

2014-09-03 | Weblog
昨日、冤罪仲間からイワジさんが亡くなったことを知らされた。
イワジさんはテレビマンとして希少者だった。幾つもの冤罪に関心を寄せ、励まし、支える活動をしていた。なかなか日の当たらない闘いをする仲間たちには、イワジさんが存在することを支えとしていた人たちもいるだろうに、突然の訃報だった。
俺も自分の闘いの中で出会い、行き違いもあったが、番組にならない多数の事件に寄り添うイワジさんを仲間のように思っていた。
つい先月、千葉刑務所仲間たちとの同窓会のおり、「また飲み会に誘ってください」と届いたメールが最後だった。
余りにも突然で、余りにも早い逝去には言葉もなくて、ただ冥福を祈る思いだけだ。
今夜は友人と、イワジさんを偲んでの杯だ。ブロガーとしても多数のフォローを受けていたイワジロウさん、本当にお疲れさまでした。残念です!!

進行協議

2014-09-03 | Weblog
今日は進行協議。午前中なので、久しぶりに、少し早起きをして東京に出て来た。
弁護団が責任を問う書面を出して、それに警察と検察が責任を否定する、更に弁護団が反論、それに対して再反論、またまた反論、という遣り取りが進行協議だが、とにかく警察も検察も言いたい放題だ。
以前にも書いたが、俺たちが再審で無罪になった理由の1つに、俺の「1本目の自白録音テープ」がある。取り調べ警察官は「録音テープは1回のみ」と否定し、2度目のテープだけを提出して「詳細かつ任意的自白」として有罪の根拠にされたが、第2次再審になり、突然、検察官が「桜井は逮捕直後から素直に自白してる」と、録音してないはずの1本目のテープを提出して来た。
その自白録音テープには改ざん痕があって無罪判決の力になった。当然、「録音していない」と証言した警察官の偽証も明らかになった。当たり前だよね。
それで偽証した警察官の責任と偽証させた検察官の責任を追及したわけだが、警察は「偽証ではなくて勘違い」と反論し、検察は「警察官が嘘を言った。検察官はテープの存在をしらない」と反論した。
そこで「1本目の録音テープが検察に渡された時期を示す記録を提出しろ」と弁護団は「求釈明要求」をした。
これも当たり前だよね。
ここからが警察と検察の素晴らしさが示される。警察は「送致書などの資料が見当たらないから釈明する必要はない」と答え、検察は「弁護団の主張との関係で録音テープの送致時期が、どんな意味があるか不明だ」として、何も答えないのだ。
袴田事件で、長い間、弁護団に追及されても「不見当」として来た写真ネガを、つい最近になって検察が「あった」と言い出した事実があった。「ズボンがでっち上げだ」と指摘され、窮地に陥った検察が、最後の手段とネガを反論材料として出して来たが、警察も検察も自分たちが不利になる証拠は言い逃れ出来なくなるまでは隠し通す。
資料が無いから釈明する必要はない、と言う警察も素晴らしいが、「証拠関係が不明」とか言い訳する検察は、最高だ。
警察から検察に「1本目の録音テープ」が引き渡された時期が明らかになれば、取り調べ警察官が「録音は1回のみ」と答えた偽証は、本当に警察だけの問題か、検察官にも責任があるか、それが判るだけだ。
誰も判るよね?
判らないのが本籍が検察庁にある法務省役人の頭脳だとすれば、その腐れは芯に及んでる。
この腐れたちを、どうすればマトモに出来るのだろうかねぇ。

自省

2014-09-03 | Weblog
俺は気が小さいし、気も弱いのに、怒りを暴力に転化する欠陥がある。歳を重ねれば治りそうだが、これがなかなかねぇ。だから、暴力などの社会問題で意見を書くときは、自分も反省しなくてはと思わされる。
自衛隊で、また発覚したイジメだが、上司が見ていて黙認したというところが、自衛隊たる問題だよね。人殺しをする組織だから、それに耐えられない奴は生き抜けないということでイジメを兵隊として鍛える「鍛錬・シゴキ」だとして黙認する、自衛隊の宿命だなぁ。でも、自衛隊は警察よりはマシだ。
今朝は防衛医大の幹部による詐欺行為が摘発された記事を読んだが、警察のやるニセ領収書の詐欺行為は、絶対に摘発されないし、イジメやパワハラが告発されることもない。先般、福島県警で部下2名を自殺に追い込んだ捜査2課長は、なんの咎めもなく、本庁の警察庁に帰任したそうだ。
警察の腐敗こそ、日本の腐敗の象徴かも知れないよね。警察の風下にある検察庁が腐敗するのも上にならって当然の行く末なんだろうなぁ。