スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

個別の善悪&皮膚科の受診

2023-06-30 19:33:12 | 哲学
 スピノザの哲学で善悪反対概念であるとすれば,第四部定理八に依拠します。僕もそうですが,この定理Propositioを規準に善悪について考える場合は,留意しておかなければならないことがあります。
                                   
 スピノザの哲学では,現実的に存在する人間が感じる感情affectusは,第三部定理五六にある通り,個別のものです。たとえば喜びlaetitiaでいえば,僕たちは一般的に喜びを感じるわけではなく,あの喜び,この喜びというように,区別することができる個別の喜びを感じます。一般的な喜びとは,それら喜びの総体にすぎません。第三部諸感情の定義二でいわれているより小なる完全性perfectioからより大なる完全性への移行transitioというのは,僕たちのうちでは個別的に生じます。前もってこのような定義Definitioがあるからこの種の移行が喜びといわれるのではなく,僕たちのうちに生じるこの種の個別の移行の総体が,一般的に喜びといわれることになるのです。もちろんこのことは悲しみtristitiaの場合にも同様です。
 もしも喜びの認識cognitioが善bonumであり,悲しみの認識が悪malumであるのなら,これと同じことが善悪にも適用されなければなりません。つまり僕たちにとっての善というのは,あの善この善といわれるような個別の善なのであって,一般的な善なのではありません。一般的な善,あるいは普遍的な善という概念notioが前もってあり,各々の事柄や事象が善であるか否かというように判断されるのではないのであって,個別の善の総体が一般的に善といわれるのです。もちろんこのことは悪の場合に同様です。
 このことは第四部序言とか第四部定義一第四部定義二で,善は積極的に定義され,悪は善の否定という観点から書かれている場合にも留意しておかなければなりません。この場合であっても,善は一般的概念あるいは普遍的概念notiones universalesであるわけではなく,個別の善の総体のことを指すのであって,それは悪の場合にも同様です。前もって何らかの善あるいは悪という概念があって,個別の事象や事柄が善ないしは悪と判定されるのではありません。個別の善,個別の悪がそれぞれあって,それらの総体が一般的に善あるいは悪といわれるだけなのです。

 祖父は僕が産まれる前に死んでいるわけですから,僕は会ったことがありません。写真を見たこともそれほどないので,顔をよく知らないのです。だから,祖父がひとりだけで写っている写真があっても,僕はそれがだれであるのかはたぶん分からないでしょう。とはいえ,家にだれであるのか分からない写真があれば,おそらくそれが祖父であろうという推測はできますので,祖父のことを知っている人,たとえば父のきょうだいでまだ生きている長男や次男に確認すればいいのです。祖父の写真が家にはないというのは,そのようなだれであるのかが分からないような写真も存在していない,正確にいえば僕が発見することができないということです。
 8月12日,金曜日。妹の歯科検診がありましたので指定歯科であるみなと赤十字病院に行きました。検診は歯のクリーニングをしただけです。
 妹は2月に皮膚科を受診していました。そのときに,妹の下腹部にできた腫瘍は良性のケロイドなので,放置しておいても大丈夫と言われたのですが,同時に,ケロイドは肥大化してしまうこともあるので,半年くらいが経過したらまた受診するように言われたのです。それからちょうど半年ほどが経過していました。なので僕は当初の予定では,このときに皮膚科の予約を入れて,15日か16日に妹を受診させるつもりでした。これは,5月にこの日に歯科検診の予約を入れたときからの心積もりでした。妹は夏季休暇期間中で,15日と16日は休みであるということがその時点で分かっていたからです。
 ところが実際にこの時期になってみると,新型コロナウイルスの感染が拡大してしまって,移動を控えた方がよい状況になっていました。もしもケロイドが肥大化しているのであれば受診させた方がよいでしょうが,そういった兆候もまったくなかったのです。なので放置しておいても大丈夫なものであれば,実際に肥大化してきたときにまた受診した方がよいように思えてきました。グループホームおよび通所施設からも,不要不急な外出は控えてほしいという依頼が出ていたのです。なので,皮膚科の予約は入れず,受診もしませんでした。現時点でも肥大化していないので,まだ受診していません。
コメント
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