スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スポーツニッポン賞習志野きらっとスプリント&徳の認知

2024-07-19 19:04:42 | 地方競馬
 愛知から2頭,高知から1頭,佐賀から1頭が遠征してきた昨晩の第14回習志野きらっとスプリント
 クビほど前に出ていた外のエンテレケイアがそのまま譲らずハナへ。内から追っていたオールスマートが控えて2番手。3番手にカプリフレイバーとハセノエクスプレスで5番手にスワーヴシャルル。2馬身差でイモータルスモーク。7番手にプライルード。この後ろはビリーヴインミー,リュウノユキナ,ティアラフォーカス,マッドシェリーの集団。その後ろがブンロートとロイヤルパールス。最後尾にスマートセラヴィーという隊列。最初の400mは22秒6のハイペース。
 3コーナーでエンテレケイアのリードが2馬身ほどに広がり,2番手はまだオールスマート。この後ろからスワーヴシャルルとプライルードが並んで追い上げてきてその後ろがイモータルスモーク。直線に入ると逃げたエンテレケイアがさらに後ろとの差を広げていき,楽に逃げ切って圧勝。内を回って追ってきたスワーヴシャルルが6馬身差で2着。2番手追走の佐賀のオールスマートが1馬身半差で3着。
 優勝したエンテレケイアは南関東重賞初勝利。JRAでデビューして1勝。3歳のうちに浦和に転入。転入先が浦和だったこともあり,1400mと1500mを中心に走っていましたが,900mや1000mでの好走もあり,強敵相手に戦えるのはむしろそうした距離と思えました。かなり優秀なタイムなので,圧勝になったのは当然。逃げたのがよかったということでしょうが,これまでで最高のパフォーマンスになりました。父はアジアエクスプレス。Entelecheiaは完成された現実性を意味する哲学用語。
 騎乗した金沢の吉原寛人騎手報知オールスターカップ以来の南関東重賞34勝目。その後に川崎記念を勝っています。習志野きらっとスプリントは初勝利。管理している浦和の小久保智調教師は南関東重賞67勝目。第9回,10回に続き4年ぶりの習志野きらっとスプリント3勝目。

 理性ratioによる認識cognitioはそれ自体が有徳的な認識ですから,第四部定理二三は,現実的に存在する人間は理性によって事物を認識するcognoscere限りでは有徳的であるといっているのと同じです。これは第四部定理二四からなお一層明らかだといえるでしょう。したがってすべての人間は理性的である限り有徳的であるということになりますから,人間に一般のvirtusの何たるかを示そうとするのであれば,これだけで十分だといえます。そしてこの意味において,すべての人間に共通の徳というものが,スピノザの哲学にもあるといえるのです。
                                   
 ところがスピノザは,その前の第四部定理二二系では,徳の唯一にして第一の基礎は,現実的に存在する各々の事物のコナトゥスconatusであるといい,理性によって事物を認識すること,いい換えれば現実的に存在する事物の能動actioであるとはいわないのです。それがなぜかといえば,人間に共通の徳が何であるのかということを示すことを意図しているのではなく,現実的に存在する各々の人間が,自身の徳とは何かということを正しく認識し,そのことを通じて人間に共通の徳とは何かということを正しく知るということが重要であるとスピノザが考えているからだと僕は思うのです。よって,現実的に存在するある人間が,人間に共通の徳を知るということは,自身のコナトゥスを正しく把握してそのコナトゥスに従って行動することによって知られることになる帰結事項なのだと僕は考えます。だから,人間に共通の徳というのは,いわゆる主体の排除によって各々の現実的に存在する人間に知られることになる帰結事項であり,徳そのものの第一の規準は,人間の本性natura humanaにあるのではなく,各々の人間の現実的本性actualis essentiaにあると僕はいうのです。
 前もってこのようにいっておいたのは,徳の第一の規準が自分自身にあるというなら,各々の人間が自己のコナトゥスに従うことがそれぞれの徳ということになり,スピノザは現実的に存在する人間が利己的に行動することを徳として推奨しているというように解されるおそれがあるからです。実際にはスピノザはそのようなことを主張しているわけではありません。徳の何たるかを知ることの方を重視しているのです。

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