スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

羽田盃&第二部定理一七備考

2007-05-16 21:34:16 | 地方競馬
 南関東クラシック一冠目にあたる第52回羽田盃は9日に行われましたが,実力馬が順当に力を発揮した結果,まさにベストレースといえるような素晴らしいレースとなりました。ぜひ動画の方もご覧になってください。
 逃げて良績を残しているヒデサンジュニアの逃げ。前半の800メートルは48秒9で,ミドルペース。レースは早くも向正面から動きをみせました。後方の内に位置していたトップサバトンが外に出すと一気に上昇。先行勢の一角を占めていたフリオーソがこれに対応して,3コーナーではこの2頭が先頭に立ちました。好位にいたアンパサンドは一旦はトップサバトンを先に行かせ,改めて外を回って追い上げると直線はこの3頭による猛烈な叩き合い。一番外のアンパサンドが一旦は先頭に立ったのですが,ゴール間際で中のトップサバトンがぐいっと伸び優勝。頭差の2着にアンパサンド,さらに首差の3着にフリオーソで,4着以下は5馬身離されました。
 優勝したトップサバトンタヤスツヨシ産駒。転入後は京浜盃に続き南関東重賞連勝。御神本騎手が騎乗停止になり,急遽騎乗が決まった石崎駿騎手しらさぎ賞以来の南関東重賞制覇。コメントによると前のフリオーソに楽をさせてはいけないということで早めに進出していったようですが,この判断が絶妙だったということでしょう。一旦は外の馬に前に出られながらもゴール前で差し返した馬の勝負根性も素晴らしいと思います。また勝ちタイムの1分51秒1(3頭が同タイム)も非常に優秀で,例年に比べるときわめて高いレベルにあるといえるでしょう。
 2着のアンパサンドはこのレースを見る限りでは,トップサバトンがよい脚を長く使うのに対し,一瞬の切れ味で勝負するタイプの馬のようです。距離延長には一抹の不安は感じます。
 僕が期待した3着のフリオーソは今回はローテーション,初コース,初ナイターと不安を抱えてのもので,それでも力は発揮できたのではないかと思います。負けたのは残念ですが,今後の巻き返しは十分にある内容だったと思います。

 明日から宇都宮記念。地元の神山選手を中心に,ここは関東勢が手厚そうです。

 前回の第一部定理三二のテーマの中で,責任論を巡る考察とは別に第二部定理四〇に関してそれ単独で探求し,そこには四つの意味があるということを示しました。今日からはこれに関連して,混乱した観念idea inadaequataについて,それがいかにして人間の精神mens humanaのうちに生じ,またそれが人間にとってどのような意味をもつのかということ,そしてこれと合わせて,虚偽falsitasとか誤謬errorということをどのように考えればいいのかということについて考察していくことにします。テーマとして立てるのは第二部定理一七の備考Scholium,とくに,岩波文庫版では上巻の122ページの5行目からの以下の一文についてです。
 「もし精神が存在しない物を自己に現在するものとして表象するのに際し,それと同時にその物が現実に存在しないことを知っていたとしたら,精神はたしかに,表象するこの能力を,自己の本性の欠点とは認めず,かえって長所と認めたことであろう」。
 表象imaginatioというのが『エチカ』の中でどのような意味を示すのかということについては後で詳しく僕の理解を示すことにします。ただ,これが観念としてはある混乱した観念を意味するということについては異論はないところだと思います。
           
コメント
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