スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ヴィクトリアマイル&第一部定理三二まとめ③

2007-05-13 22:09:08 | 中央競馬
 春の古馬牝馬№1決定戦という位置付けのヴィクトリアマイル。予想通りにアサヒライジングの逃げ。前半の800メートルが46秒6。やや引き離して逃げていたわりにはこれはスローペースです。
 レースは結果的に前に位置していた馬たちにやや有利になりました。どうも馬場の内目が悪かったようで逃げたアサヒライジングは直線では馬場の中央よりに進路を取りました。このあおりを食って外に持ち出せなかった6・7番手を追走していたコイウタは,仕方なしにアサヒライジングの一頭分内に進路を選択しましたが,これがよく伸びて優勝。中団の最も後ろにつけていたデアリングハートがアサヒライジングの外から猛追しましたが,アサヒライジングが粘って2着は確保。デアリングハートが3着となっています。
 優勝したコイウタ,松岡正海騎手,奥平雅士調教師はいずれも大レースはこれが初制覇。オーナーは歌手の前川清さん。父について後日紹介します。馬場状態やペース,位置取りなどがこの馬に最も幸いしたという感じの勝利で,強かったというより運がよかったという気はします。ただし,1分32秒5というタイムはフロックで出せるものではもちろんなく,相応の能力を秘めていたことだけは間違いありません。
 3着のデアリングハートや5着のジョリーダンスの伸び脚を見ていると,人気を分けた2頭,9着のスイープトウショウと10着のカワカミプリンセスにはやや不満が残りますが,前半の位置からして,いくら伸びても勝つというところまではいけなかったでしょう。

 明日は朝日オープン選手権五番勝負の第四局です。羽生選手権者が勝つと防衛。先手番の阿久津五段としては踏みとどまりたいところです。

 もしもスピノザの哲学から責任という概念をそれ自体で積極的に抽出しようとするなら,責任という概念にあらかじめある価値を付随させるという方法がよいのではないかというのが僕の考え方でした。そしてその価値としては善悪という価値が最適であると選択しました。エチカにおいて善悪とは第四部定義一および二に定義されている通りであり,また第四部定理八によりそれは認識の問題,とくに各々の人間が感じる喜びと悲しみの認識の問題です。したがって,人間がある悪をなしたから責任を負わねばならないとしたら,責任論は完全に結果論であるということになります。
 さらに,もしも人間が受動的であると考えた場合,第三部定理五一からして,人間の喜びと悲しみの認識は各人の間で一致せず,むしろばらばらであることが分かります。このことがさらに別の結果論をもたらします。
 僕はこれらふたつのことが,一般的に責任という概念について考える場合に,ある難点であるということには同意します。しかし僕がスピノザの哲学を学ぶ意図としての真理の追究という観点からは,こうした難点については不問に付してよいと考えます。責任という概念を積極的に抽出しようとするならば,その概念が結果論,人間の行為の原因についてではなく結果についてのみある事柄を問うことができる概念でしかあり得ないというのは,少なくとも僕が理解するエチカの中における真理であると思うからです。
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