ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

「休ませて」と言いますが・・・・

2017年04月02日 02時34分12秒 | ワインの事
私の20代のウェイター時代です。

今から30年以上前に「ワインは休ませたほうが美味いで」と聞きまして


堺に住んでた頃、その後高石に住んでいた頃と色々実験したものです。

当時はまだソムリエをしていませんでしたが、味わいには興味があったんですね。


当然ですが、その頃は家にはセラーなんてものはありません。

どうにか数本はワインを置いていまして

2回くらい前の休みに買ってきたものと当日買ってきたものを比べたりしていました。

勿論、同じワインですし、「温度も同じに合わせていた」のは今思えば「私もやるなあ」です。


何種類かのワインで試しました。

「ほとんどの場合」前に買っていたほうが円やかになっていて美味しいのです。

安月給でしたから1000円から2000円位のものが殆ど。

顕著に違いがあったのは濃い目の赤で、すっきりした白などはあまり違わなかった記憶があります。

あと「歩いて200メートル」とかの酒屋さんで買ったものを静かに持って帰った場合は違いはありません。

当然のことながらお金がありませんのでシャンパンは高価すぎて実験していません。


後にソムリエになってからは高価なワイン、古いワインでも調べるのですが・・・・


昨日は「シャンパンは何年か休ませたほうがいいのか?」と聞かれるお客様がいて当時の事を思い出していました。


ちなみに私の結論は輸送後のショックから立ち直る時間程度で充分だということです。

そうすると「あの店とこの店、或いはあそこの店で同じシャンパンの味わいが違うのはなぜか?」と聞き返してきます。

しかし、そういう場合提供温度もグラスもその時に食べているものも違うのでシャンパンそのものの味わいの特定は出来ません。


「では」ときて「先にコルクを開けて待ったほうがガスが抜けて美味しいのはなぜか?」と・・・・


これに関してはシャンパンの性質上少しの時間でガスがそんなに抜けることはありません。

話を聞いているとコルクを抜いた後は冷やしていない、ということですので温度変化が味わいに影響を与えたとみるべきです。

シャンパンは実は温度帯の幅が広く楽しめる要素があります。

15度位でも実は美味しいのです。

ただ15度でコルクを抜くのは慣れない人には危険。

ですので一旦冷やして乾杯はそのまま飲み、そこから氷に付けずに温度を上げていく、と言うのが家庭で楽しむ一つの方法ですね。


話が飛びましたが・・・

ワインは休ませたほうが良いと思います。

が、過剰に休ませる必要はありません。

今では家庭用のセラーも安く買えますし、グラスも色々選べます。(これが難しいのですが)

ですから「今日飲むのは前に買った分、次回飲むのは今日買った分」くらいのローテーションで美味しく飲めるはずです。

抜栓からの時間は実はあまり関係なく、空気に触れさせるという目的ならデキャンタ(空き瓶に移すだけでもOK)をするほうが確実にいいと思います。


こんなことを書き出すと長くなりそうです。

続きはそむりえ亭で聞いてください。

ご家庭で美味しく飲むお手伝いを出来れば嬉しい限りです。


          樋口誠

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