ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

早熟、晩熟、長熟etc・・・・・

2015年01月25日 03時04分52秒 | ワインの事
ワインの世界ではよく言われる言葉です。


「あのワインは早熟やから、もう飲み頃やねえ」とか「〇〇の90年は晩熟やあ・・・まだまだ固いねん」「1959年は今でも活き活きしてて歳を感じさせない晩熟やわ」とか・・・・・・


一見すると別個の言葉で其々のワインは「そのいずれか」と型にはめたくなるものです。


しかし、早熟で長く保つ長熟な年もあります。
私の感性では1982のボルドーはそうでしたし、2009年のブルゴーニュがそうなりそうな気がします。

1986は固く1985は柔らかかったボルドー。しかし両方長熟。

1989は早くから美味しかったけれど1990は遅咲きのイメージ。


で、こういう事は赤の特徴的な表現かというと白の方が面白いですね。
昨日、オレゴンのあるワイナリーのワインをテイスティングしていましたが、赤は最初から飛ばしてる感じでしたが白=シャルドネは待ってこそ、と言う骨格を感じさせました。

また少し前に日本のシャルドネを抜栓後、ボトルの上の部分をテイスティングした後、一か月放置してグラス販売しましたが、凄い変身をしてゴージャスになっていました。


しかし、世の中に出回る殆どのワインは飲み頃なんていう言葉はあまり関係なく早くから飲めるようになっていますし、そむりえ亭では「若すぎることを生かす」マリアージュを提案することでより美味しく召し上がって頂いています。

何万円もするワインの場合は「立派な舞台」に立たせてあげることが大事だろうと思いますが日常では気にすることではないと思っています。

先輩であるソムリエのTさんも同じことを言っていたと記憶しています。



また「固い=若い」と思っていたワインがグラスを替えると柔らかく感じたり、軽いデキャンタで著しく開いたり、ある食材の後に口に入れると活気づいたり、なんですね。或いは温度でも感じ方が変るのは周知の事実です。



勿論、店の形態で考え方は違いますし、出し方も違います。



ちなみに先日ある若者が「ブルゴーニュの生産者は最近のヴィンテージは10年も持たないと言ったいた」「だから早く飲むべきだ」と言い、彼はそれを信じていました。

しかし私の知る限りここ数年のヴィンテージで10年持たない年はないと理解しています。

おそらく生産者は「早くから飲める。遅くても10年以内に飲めるようになる」と言いたかったんだろうと思います。
つまり「早熟」
で、それと暑かったり或いは温暖な新世界のワインが早飲みで長熟なことを知らないでいると上記の事を「短命」と信じてしまうのですね。




「若すぎるワインを今おいしく頂くマリアージュ」は私もずっと研究中ですが、お越し頂ければ色々経験頂けると思います。
色々試してみてくださいネ!!

               樋口誠