昨晩、CSでたまたま「ローマの休日」(たぶん完全版)を放映していたので、妻と目を皿のようにして見てしまいました。1953年制作の作品なので、今からおよそ55年。半世紀以上も前の映画ながら、少しも色あせることのない魅力に堪能でした。
どう見ても王女さま以外に見えないヘップバーンの美しさはもちろんですが、おそらくはオールロケのローマは、まだ目の裏に焼き付いており、映画を見ながら「スペイン階段だ」「トレヴィの泉だ」と言いながら、見るのも楽しいものです。
それにしてもローマほど昔と建物の変わらない都市はないはずなのに、時間の経過で、これほど景観が違うものかと驚く次第であります。
観光客でごったがえすトレヴィの泉前、映画では自転車や大八車を引いた八百屋などが闊歩。広場に映っていたFarmacia(薬局)は今でも健在なようです。
子どもが彫刻にぶら下がっていたり、噴水で水浴していたり、今ではコインすら投げるの禁止な状況と真逆なのにびっくり。
アジアっぽい出店が立ち並び、グレゴリー・ペッグが押し売りされた大きなスイカを、トレヴィの泉で水浴する子どもたちに投げ与える場面もさらにびっくりでした。
これまた人で上にも上がれないスペイン階段。
もちろんジェラートなどの飲食は禁止ですが、映画のヘップバーンは食べ残しのコーンをポイと捨ててしまいます!
王女さま、お行儀がお悪いですわよ!
今だったら、警備のおじさんかPOLIZIAに怒られてしまいますぞよ。
映画では階段前に噴水があったのですが、人が多過ぎてあったのか気がつかなかったのも映画を見てびっくり。ベルニーニ(父)作の噴水だそうですから、取り除くわけないですよね(笑)。
映画の中で驚いたのが、育ちの悪そうな子どもがローマのあちこちを走り回っている様子です。現在のローマでも勿論、子どもは大勢いましたけど、走り回ってる地元の子どもはついぞ見ませんでした。フェリーニの映画でも悪ガキが大勢出てきましたけど、まったくというほど見なくなったようです。
私が最初にイタリアに行った30年前は子どもがあちこちでサッカーをしていて、遺跡のあちこちにボールをぶつけておりました。
日本でも三角ベースの野球で遊ぶ子どもの姿は見なくなりましたが、少子化でイタリアも子どもが少ないのは同じようです。
パンテオンの前のカフェは健在なようですが、こちらも現在は各国のツーリストでいっぱい。
「ローマの休日」は究極の観光映画ですが、意外にヘップバーンとグレゴリー・ペッグ2人っきりの場面は少なく、友人のカメラマンとの3人という場面が多かったのも、久々に見て意外だったことでした。
それにしても、映画を見るとまたローマに行きたくなる。
これほど歴史的景観に恵まれ、住んでる人たちが程よくザツで下町なのがローマの魅力でもありましょう♪
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