圧倒的インドムービー『RRR』を見た後は、5月7日で閉店となる、八重洲の南インド料理店ダクシンに行きました。
ここは妻と一番最初に会った店。
最初に会った時はまさか結婚するとは思ってなかったので、縁とはまことに不思議なものです。7月には大手町に移転するので、店自体がなくなるわけではありませんが、出会った場所はなくなるので、記念に行っておこうと思ったわけです。
料理は相変わらず安定した美味しさです。
雨でどの店も閑散としているのに、ダクシン八重洲店はほぼ満席でした。
インド人の店員さんに「『RRR』見たあと、ここに来ましたよ」と言ったら、「『RRR』見たか!」との返事。
「見たんですか」と尋ねたら、「見てない」との返事。
見てないのに、そのテンションはなんだと思いましたが、そこはインド人です。
まあお店あって、1日に1回の上映で3時間もあったら、なかなか行けませんよね。
そういえば、『RRR』 のラージャマウリ監督はインド神話おたくだそうで、前作のバーフバリも古代叙事詩『マハーバーラタ』に即した内容とか。
ダクシンも店内はインド神話の神々が飾られていて、ここがヒンドゥー教徒のお店だということを実感します。
そういえば、『RRR』 の主人公の名はラーマで、アチャールくんの本名と同じだったので、そこも感情移入してしまいました。
ラーマはインド古代叙事詩ラーマヤナに出てくる、主人公の英雄の名です。
インド人からもっとも愛されてる神の名であり、ガンジー最後の言葉が「ヘイ、ラーマ(おお、神よ)」だったことからも、その愛され方がわかるでしょう。
一方、親友のビームの名は、やはり『マハーバーラタ』に出てくる英雄の名で、怪力の神様のようですね。
ただ、ビームたちに「羊飼い」 という表現がなされているのは、おそらくはラーマと並んでインド人に愛されている神、クリシュナにかけているのでしょう。
ラーマーヤナは、魔王ラーヴァナに攫われ、ランカー島(スリランカ)に幽閉されたシーター姫を救う話がメインになっていますが、『RRR』は完全にそれを踏襲していますね。
そこがドラマの奥行きを出していると感じました。
イギリス植民地時代は、すでにインド人の中では神話になっているように思えました。
ダクシンの店員さんたちとは、料理のお礼とインド神話の話をかわし、楽しい時間でした。大手町に移転したあとも楽しみです。
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