花風社さんから上梓された電子書籍、「藤家寛子の就活記」と「藤家寛子の闘病記」、読了いたしました。
出版前に浅見社長は、この「就活記」と「闘病記」を2冊で出した方が良いか、1冊にまとめた方が良いか、SNSで質問の募集をしました。
私の記憶では、圧倒的に「1冊にまとめた方が良い」との声が多かったはずで、私自身も同じ意見でしたが、実際に出されたものを見ると、少数意見だったはずの2分冊になっていました。
しかしながら、出されたカバーを見た瞬間、「ああ、これは2冊に分けるべき本だったな」と思い、読みながらその思いを深くしました。
これはわたしの勝手な感想ですが、1冊にまとめてあったら、「闘病」 があって「就活」に進んだプロセス、コントラストが薄まる気がしたからです。これも電子書籍ならではの試みと言えます。
ともかくも肝心な方は、何と言っても「就活記」でしょう。ここには発達障害を抱える人たちだけでなく、多くの一般読者にも光を照らし力を与えてくれる言葉があります。それは気休めとか慰めではありません。
この2冊には、紆余曲折ありながら、きちんと道を歩いてきた人が自分自身に起ったことを、自分自身で書いた間違いのない言葉があります。そこには紛れもない真実があるのです。
「就活記」から読んでみるのも良いという浅見社長のオススメだったように覚えてましたが、実際に私は「闘病記」から読みました。「あとがき」にも書かれていたように、私も藤家さんの一番大変だった時期を知っていて、だからこそ、その軌跡をなぞってみたいと思ったからです。
大変な状態から、就活まで上ってきた藤家さんの努力には頭が下がりますが、大切なことは彼女が発達障害を抱える特別な能力をもった人間だからというわけではありません。
誰もが正しく精進すれば、道は開けてくる。
人生は映画のようなハッピーエンド、あるいは逆に悲劇のエンドばかりで出来てるわけでなく、多くの過程が複雑にからまっています
これからも藤家寛子さんには、良いこと悪いこと、普通のことなどな様々な道が待ち受けているでしょう。まあ、それは私を含む、世の誰もが同じことであります。
彼女なら、それをきちんと開いて進んでいくに違いありません。今後の活動に期待したいと思いますし、これからも講演なども聞いてみたい。