先日、安倍総理がフジテレビの特番に出演し、安保法案の説明をしていました。
わたしは一部をあとから見ただけでしたが、総理の立場からすると安保法案が憲法違反とは口が裂けても言えないわけで、そこでだいぶご苦労されて説明をしていたなと感じた次第です。
しかし砂川判決やら何やらあろうと、自衛隊が憲法9条に反しているのは明らかだし、そうなれば必然的に今回の安保法案も憲法違反であります。
私自身は、9条が護憲派が言うような平和憲法とは思わず、むしろ自国の手足を縛る危険な憲法だと思ってます。9条を言葉通り解釈すれば、日本は一切の武装をしてはいけないことになるわけだからね。
だからと言って、自国の軍隊を持たないのは安倍総理じゃないけど、家に鍵をかけずに出かけるのと同じこと。だからこそ、憲法違反とわかっていながら強引な理屈で自衛隊を設けたわけで、その歪みが今まで綿々とつながっているわけです。
世界の歴史上、9条に近い理念を実行した人が、かのモーハンダース・カラムチャンド・ガンジー・・・通称マハトマ・ガンジーです。
この人の偉大さは世界の誰もが認めるところだけど、自国インドでは意外に評価されていません。理由は簡単で、非暴力によって殺された人たちの遺族が戦争なみに多いからです。
ガンジーの非暴力は戦争とまでは言えないものの、暴力を用いない彼なりの戦いでした。だから死者もケガ人も戦争なみに出たのです。
もちろん、今の英国とインドの関係が良好なことは、ガンジーの功績によるものは大きいことは間違いないでしょう。
でも、この戦いができる指導者はガンジー以外にはいなかった。
非暴力を説くダライラマ14世も、ガンジーのやり方を踏襲しているとは言えません。
中国政府に対して残念な焼身自殺を繰り返す、チベット人たちの悲惨な戦いを見ればわかるように、ひたすら無力な非暴力となっています。
非暴力を貫くガンジーに対して、イギリス政府は容赦なく鉄槌をおろしました。
同様に他国が本気で攻めてきた時に、9条は何の役にも立ちません。
ウエルズの宇宙戦争じゃないけど、火星人の暴虐にただただ、なぶり殺しにされる地球人状態になることでしょう。
ガンジーの非暴力のように、死屍累々と日本人の死体の山を築き、相手がイヤになるまでその戦いを貫くことができるのか?
9条を守れ、と言ってる人はそこまでの気があるのかな(経済評論家の森永氏はそう言ってるわけか・・・?)
ケント・ギルバート氏が言うように、9条は米国が敗戦国に課したペナルティであり足かせでもあります。
9条を守れという人には、ガンジーの非暴力という、9条を実践したまたとないお手本をよく見てほしいもの。
たとえば、リチャード・アッテンボローの名画「ガンジー」。非暴力を貫くガンジーの姿には感動しますが、あの真似が今の日本人に果たしてできるかなあ。
まあ、護憲派の人は真逆なことを言いそうだけどね。
できない話ではありますが、安保法案の前に改憲ありきだと思います。