漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

ケー

2005年05月28日 | 漫画のはなし
印象に残る漫画のはなし:6

「ケー」
森雅之著

この短編が収められている単行本「散歩しながらうたう唄」を手にしたのは、全くの偶然だった。
余りにも印象的なタイトルだったから、何気なく手にして、何気なく買った。確かそんな感じだったと思う。その辺りのことは、正直、余り覚えていない。
ただ、この本をはじめて読んだ時のことは、妙に印象に残っている。
僕の田舎は神戸なのだが、余り降らない雪がしんしんと降り積もった日だった。
僕はベッドに横になって、隣の部屋から聞こえてくるテレビ番組の音の断片を聞きながら、この本を読んだ。部屋の中が、真昼だったが、妙に白っぽい光で明るかったのを覚えている。
本を読み終わったあと、僕は犬を連れて近くの公園へ散歩に出かけた。
犬を公園に放して、雪を踏みながら、空を眺めていたのを思い出す。

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2 コメント

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Unknown (shu)
2005-05-30 22:36:05
学生時代、森雅之の『夜と薔薇』という単行本を新宿PEPEで買って(徹夜バイト明けだったかな)

自宅に向かうガラガラの西武新宿線の中で(明るい午前中だった事だけはっきり憶えています)

読んでいると、となりに座った初老の男性がこっちを見ていました。

(どうせ大人はマンガをバカにしてるんだろな)と思いながら気にせず夢中で読んでいると

「いいマンガだねえ~」

とおっしゃるではありませんか!

うれしかったなあ~。それだけの話です。
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Unknown (shigeyuki)
2005-05-31 01:37:43
「夜と薔薇」収録の「雪の中の小さな足跡」という短編を最初は選ぼうかと思ったんです。でも、はじめて読んだのがこちら(「散歩しながら・・・」)だったので。

それにしても、shuさん、おもしろい体験ですね。いい話だ。
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