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「漂流教室」 梅図かずお著
少年サンデーコミックス 全11巻 小学館刊
を読む。
天文古玩の玉青さんに勧めていただいた本。云うまでもなく、余りにも有名な漫画。いや、さすがに今だに読み継がれているだけあって、単に面白いだけではなくて、様々な要素を読み取ることができる作品。連載時に読んでいたら、かなりどきどきしたんじゃないかと思う。途中、殆ど思いつきじゃないかと思うほど凄いことになっていったが、それが最後にきちんと纏まったのも見事。以前紹介した、日野日出志さんの「恐怖!四次元の町」は、この作品の成功を踏まえたものだったんだろうなと思った。
ところで、よく知られていることだと思うが、著者の梅図かずおさんは吉祥寺に住んでいる。僕もたまに見かけることがある。で、例の貸本屋のおやじさんに、「梅図先生って、吉祥寺に住んでいるんですよね。この店に来た事ってありますか?」と聞いたところ、「いや、ないね。一度くらい顔を見せてくれてもいいんだけどね」とのこと。なるほど。
きっと、今の玉青さんの一部になっているんでしょうね。
>それにしても、「漂流教室」は、「十五少年漂流記」の極東における遥かなる残影と見ていいんでしょうか。タイトルには明らかな影響関係を感じます。
それは間違いないでしょうね。ただし、ゴールディングの「蝿の王」的な歪み方をしてますが。
印象としては、全体としてはヴェルヌ「二年間の休暇」+ウェルズ「タイムマシン」といった感じでしたが、その中にディック的な悪夢が入ってきている感じでした。
そう、まだ心が柔軟で、スポンジのように情報を吸収した子ども時代。リアルタイムで「漂流教室」を読んだことが良かったのかどうか、自分では判断できませんが、きわめて強烈な体験であったことは確かです。
それにしても、「漂流教室」は、「十五少年漂流記」の極東における遥かなる残影と見ていいんでしょうか。タイトルには明らかな影響関係を感じます。
(今日の写真、いいですね。鴨沢さん追悼記事の月の写真も心に沁みました。)