印象的だった漫画の話。その2。
「マッチ一本の話」
鈴木翁二著
この漫画を初めて読んだ時の衝撃は、忘れられない。
冬の夜だったが、自分の周りの空間がすっと広がって、遠い時間の夜にそのまま滑り込んでゆくような、そんな感じがした。余りに感動したから、真夜中の犬の散歩に本を持って行った。そして、公園で犬を放して、街灯の下のベンチに座って、もう一度読んだ。左手の方向、ずっと向こうには暗い夜の海が広がっていて、ぽつりぽつりと船の明かりが見えていた。まるで昨日のことのように思い出す。
この物語は、どんな風にも読める。分かりそうでわからない。分からないけれども、分かる。そんな微妙なところで成り立っている物語だ。マッチ一本が燃え尽きるまでに映し出される、一瞬の伝説。あるいはデジャ・ヴ。そんな懐かしい物語だ。
「マッチ一本の話」
鈴木翁二著
この漫画を初めて読んだ時の衝撃は、忘れられない。
冬の夜だったが、自分の周りの空間がすっと広がって、遠い時間の夜にそのまま滑り込んでゆくような、そんな感じがした。余りに感動したから、真夜中の犬の散歩に本を持って行った。そして、公園で犬を放して、街灯の下のベンチに座って、もう一度読んだ。左手の方向、ずっと向こうには暗い夜の海が広がっていて、ぽつりぽつりと船の明かりが見えていた。まるで昨日のことのように思い出す。
この物語は、どんな風にも読める。分かりそうでわからない。分からないけれども、分かる。そんな微妙なところで成り立っている物語だ。マッチ一本が燃え尽きるまでに映し出される、一瞬の伝説。あるいはデジャ・ヴ。そんな懐かしい物語だ。