今聞くと、やや音が軽く聞こえるけれども、初めて
The Stranglers の 「Always The Sun」
を聴いた時は、しばらく頭からそのメロディが離れなかった。アルバムのタイトルトラックである「Dreamtime」も、最後の「Too Precious」も、忘れ難かった。僕が「サイケデリック」という世界に触れたのは、もしかしたらこのアルバムが最初かもしれない。
何より、ジャケットが印象的だった。鮮やかな夕焼けを背にして、頭に十字架のようなものを生やした四人のシルエットが映っている。何を表現しているのかは知らないが、初めて見たときは、
「あ、蝉茸」
と思った。
蝉茸とは、蝉の幼虫に寄生する茸で、蝉の幼虫から養分を吸い取り、成長する。「冬虫夏草」とも呼ばれ、漢方薬にもなっているようだ。だが、その姿は余りにグロテスクだったから、子供の頃図鑑で見てから、ずっと強烈に印象に残っている。僕の好きな作家、ホジスンの「夜の声」もそうだが、菌類に対する嫌悪にも似た恐怖は、人間には普遍的にあるのかもしれない。
音楽の話のつもりが、セミタケの話になってしまった。
The Stranglers の 「Always The Sun」
を聴いた時は、しばらく頭からそのメロディが離れなかった。アルバムのタイトルトラックである「Dreamtime」も、最後の「Too Precious」も、忘れ難かった。僕が「サイケデリック」という世界に触れたのは、もしかしたらこのアルバムが最初かもしれない。
何より、ジャケットが印象的だった。鮮やかな夕焼けを背にして、頭に十字架のようなものを生やした四人のシルエットが映っている。何を表現しているのかは知らないが、初めて見たときは、
「あ、蝉茸」
と思った。
蝉茸とは、蝉の幼虫に寄生する茸で、蝉の幼虫から養分を吸い取り、成長する。「冬虫夏草」とも呼ばれ、漢方薬にもなっているようだ。だが、その姿は余りにグロテスクだったから、子供の頃図鑑で見てから、ずっと強烈に印象に残っている。僕の好きな作家、ホジスンの「夜の声」もそうだが、菌類に対する嫌悪にも似た恐怖は、人間には普遍的にあるのかもしれない。
音楽の話のつもりが、セミタケの話になってしまった。