遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

幼女と煙草

2009年12月07日 14時20分51秒 | 読書
     幼女と煙草    ブノワ・デュトゥールトゥル(著)2009年10月発行

  日本で初めて翻訳されたという本書は、フランスの小説家の十数冊目だそうです。
  紹介文には、クンデラに絶賛され、アカデミー・フランセーズ賞やメディシス賞
  に輝く、華々しい活躍を続けている・・・とありました。

  まぁ、クンデラも賞も関係なく、、、かなり面白かったです。
  ブラックとシニカルが合体して、恐怖の世界!を見せつけてくれます。

  “風刺”などという世界を超えていて、笑うに笑えない社会に愕然とさせられ
  ました。
  話は超シンプルなのですが・・・。
  不思議な題名、『幼女』と『煙草』が文字通りのテーマです。
  
  話は、主人公の一人で、殺人の罪で死刑執行寸前の男が、
  死ぬ前の一服を要求するところから始まる。
  ところが、刑務所内は完全禁煙(皮肉にも受刑者の健康を守るため)
  という規則があるため、所長は彼の要望を拒否する。
  しかし、刑務所には、死刑囚の最後の望みを叶えることができる、
  という別の規定もあるのだ。
  この死刑囚の最後の一服を巡り、マスコミ、煙草会社、世論、大統領を
  巻き込んだ騒動が起きる。
  もう一人の主人公は、市役所に勤務する、ごく普通の常識的社会人の男性。
  彼は、過剰に保護される子供たちを常に苦々しく思い、禁煙の市役所内の
  あるトイレで隠れて喫煙している。
  しかし、ある時、うっかり鍵をかけ忘れ、小さな女の子に喫煙している姿を
  目撃されてしまう。
  ここから、彼の人生は狂い始める。
  「こどもに対する犯罪」で逮捕され、女の子に小児性愛者のレイプ犯として
  訴えられ、刑務所に入れられてしまうのだ。

  禁煙社会で、最後の一服を要求した死刑囚は、国民的人気者に祭り上げられて
  いき、「ガキ」嫌いの愛煙家市職員は、どん底に落ちていく。
  煙草一本をきっかけにして、対照的な運命が展開する2人の姿が恐ろしい。
  悪をなすのは悪意ではなく、善意なのだ。
  法治国家における普通と思われる市民社会、決して独裁や圧政が行われて
  いるわけではない。
  なのに、普通の人間が悲劇に見舞われるのだ。民主的に・・・。
  他に、テロリストも登場し、その処刑方法までもが、インターネット投票で
  民主的に決定される、という理不尽な情景が展開する。
  そんな『不条理』が描かれている。
  私達の身近なところで、現在進行中の環境問題、禁煙問題、テロ対策、、、
  思い当たることばかりではないか。

  一見バカバカしい・・・でも、ゾクッと背筋が寒くなる小説でした。

   わがまま母
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和菓子♪

2009年12月07日 07時49分51秒 | 食べ物/飲み物
今朝の東京は、雲はありますがだいたい晴れています。
空気が冷たくて、かなり寒いです(>_<)
今までコタツでしのいできたけど、今日は帰ったらエアコンの掃除をしようかなあ…

写真は近所の和菓子屋さんで買った季節の生菓子です。
学生の頃からお気に入りのお店なのですが、
会社帰りだとなかなか開いているうちに寄れなくて、
先週の土曜日に久しぶりに行きました。

おじいさんとおばあさんがこぢんまりした間口で営業しているお店で、
買いに行くと気分がほっこりします。

前に買いに行ったときは生菓子がなくなっていてお団子を買ったのですが(これまた美味でした)、
今回は素敵な生菓子たちが並んでいて幸せ~な気分になりました♪

和菓子はシンプルだからセンスの違いが如実に現れますね。
デパ地下などではあまり好みのものが見つからないので、
こういう個人のお店がいつまでも続いてくれたらいいなあ…
(子)
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