妖精と妖怪のあいだ 群ようこ(著)2005年7月発行
この本を本棚から選択させたのは、この題名にあります。
ものすごく興味をかきたてる題名ではありませんか。
そもそも妖精と妖怪という真逆の生き物(?)、
(そして、どちらも未だに生存が確認されていない)
しかも、そのあいだ!って・・・。
私は惹かれてしまいましたね~。
で、それだけ興味深々で読んだ分、今は肩透かしを食らった気分。
無論、群氏の作品は大好きなのですが、これに関しては題名がよすぎた。
『放浪記』に登場する『平林たい子』に興味を持った群氏が、諏訪にある
平林たい子記念館を訪れ、そこでたい子が大事にしていたと思われる火鉢
ほどもある巨大な土瓶やペットの九官鳥に亀を抱いて対面させているたい子
の嬉しそうな表情の写真を目にし驚いたのだそうだ。
そして、明るく無垢で太っ腹なたい子の姿に惹かれ、評伝を書こうと決めた
・・・そんな経緯で、この本は書かれたということだ。
評伝として、平林たい子の人生を忠実に、しかし作者の想像も混ぜながら
描いているので、他の伝記物などよりは、ずっと読みやすいし面白い。
しかし、行間に群氏が、思わずもらすため息が聞こえてきそうでした。
何度失敗しても、男と夫婦として生きなければいけない、と
結婚にしがみつく生き方には、いささかあきれてしまう。
奔放な男性遍歴とか、自由で作家として自立した女性、、、といわれてきた
たい子の意外な姿が明らかにされている。
当時の女性よりは進歩的ではあったかもしれないが、まだまだ古い因習に
囚われていた女だったのだ。大正から昭和初期という時代の匂いがします。
それにしても、たい子は、男運が悪かったですねえ。
何故よりによってそんな男達ばかり・・・理解に苦しみます。
家事や育児は苦手、でも作家として自立している、、、そんな女性は
今の時代なら、無理に結婚などせずとも、思う存分仕事をし、
自分の人生を謳歌できたことでしょう。
この評伝を読む前と後で、私の平林たい子に対する興味に変化がないのが、
少々残念ではあります。
そして、たい子は結局『妖精』でも『妖怪』でもなく、
パワー溢れる猪突猛進型ながら、案外普通の女性だったのでは?
という感想に至りました。
わがまま母
この本を本棚から選択させたのは、この題名にあります。
ものすごく興味をかきたてる題名ではありませんか。
そもそも妖精と妖怪という真逆の生き物(?)、
(そして、どちらも未だに生存が確認されていない)
しかも、そのあいだ!って・・・。
私は惹かれてしまいましたね~。
で、それだけ興味深々で読んだ分、今は肩透かしを食らった気分。
無論、群氏の作品は大好きなのですが、これに関しては題名がよすぎた。
『放浪記』に登場する『平林たい子』に興味を持った群氏が、諏訪にある
平林たい子記念館を訪れ、そこでたい子が大事にしていたと思われる火鉢
ほどもある巨大な土瓶やペットの九官鳥に亀を抱いて対面させているたい子
の嬉しそうな表情の写真を目にし驚いたのだそうだ。
そして、明るく無垢で太っ腹なたい子の姿に惹かれ、評伝を書こうと決めた
・・・そんな経緯で、この本は書かれたということだ。
評伝として、平林たい子の人生を忠実に、しかし作者の想像も混ぜながら
描いているので、他の伝記物などよりは、ずっと読みやすいし面白い。
しかし、行間に群氏が、思わずもらすため息が聞こえてきそうでした。
何度失敗しても、男と夫婦として生きなければいけない、と
結婚にしがみつく生き方には、いささかあきれてしまう。
奔放な男性遍歴とか、自由で作家として自立した女性、、、といわれてきた
たい子の意外な姿が明らかにされている。
当時の女性よりは進歩的ではあったかもしれないが、まだまだ古い因習に
囚われていた女だったのだ。大正から昭和初期という時代の匂いがします。
それにしても、たい子は、男運が悪かったですねえ。
何故よりによってそんな男達ばかり・・・理解に苦しみます。
家事や育児は苦手、でも作家として自立している、、、そんな女性は
今の時代なら、無理に結婚などせずとも、思う存分仕事をし、
自分の人生を謳歌できたことでしょう。
この評伝を読む前と後で、私の平林たい子に対する興味に変化がないのが、
少々残念ではあります。
そして、たい子は結局『妖精』でも『妖怪』でもなく、
パワー溢れる猪突猛進型ながら、案外普通の女性だったのでは?
という感想に至りました。
わがまま母