シチリアの奇跡
マフィアからエシカルへ 島村夏(著)2022年12月発行
良質な小麦、美味しい果物、オリーブ、レモン、ピスタチオなどナッツ類、新鮮な魚介類、
地元産ブドウのワイン、、、これらがフェアな状態で流通可能となった現在のシチリア。
マフィアによる暗いイメージが付き纏っていたシチリアが、近年、如何に魅力的な島に
変革しているか、複眼的な新たな視点を持ち、根気強く続けたシチリア密着取材により
語られていく。
ここに至るまで、数々の悲劇を乗り越え、努力し、連帯し、正義を信じ闘い続けた人々の
姿に感動を覚えずにはいられなかった。
食いしん坊としては、以前から、美味しいものの宝庫「シチリア」には興味津々で、
また、地中海の十字路に位置することから、歴史的にも美術的にも独自の魅力を感じ
シチリアに関連する本を探していて出会った一冊。
多少なりとも日本社会と似通ったところがあるし、日本の社会に置き換かえ、
私たち市民が参考にして行動すべき点が多いのではないかと。勇気が必要だけど。
とても興味深かったので、是非、地方の若者や政治に関わる人にも読んでみて欲しいな。
わがまま母
— 新潮社 案内文 —
「ゴッドファーザー」の島から、オーガニックの先進地へ。
諦めない人々の闘いのドキュメント! 本当のSDGsは、命がけ。
映画「ゴッドファーザー」が象徴する“マフィアの島”が、今やオーガニックとエシカル(倫理的)消費の最先端へ――みかじめ料不払い運動に反マフィア観光ツアー、有名ピザ屋が恐喝者を取り押さえ、押収された土地は人気の有機ワイン農場に姿を変えた――『スローフードな人生!』の著者が10年以上の現地取材で伝える、諦めない人々のしなやかな闘いのドキュメント。新しい地域おこしはイタリア発、シチリアに学べ!
〈書評〉
◆食に社会正義を取り戻す
[評]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)