三分を解す。
三分は、これまでに見て来ました二分説ですね。その二分説の上に自証分を立て、自証分が識体であって、識体が転じて相分・見分になると説いてきます。
そして先ず、説一切有分の教説と比較しながら、相分・見分・自証分の在り方を説明します。
大乗及び正量部以外は、心識に離れて別に心外の法が有ると執していることを述べます。
「識に離れたる所縁の境有りと執する者、彼が説く外境は是れ所縁なり。相分を行相と名づく。見分は事と名づく。是れ心心所の自体の相なるが故に。」(『論』第二・二十七右)
「心外の境は是れ所縁なり。心の上に所縁に似る相有るを行相と名づく。体は即ち見分に摂するが故に。大乗の相見分を以て彼の宗に即して名を立つるのみ。」(『述記』第三本・四十四右)
客観的に事物が存在すると説く有り方と、唯識が説く説き方とを比較して相分・見分・自証分を明らかにしてきます。
本科段は、唯識に達していない人たちの解釈を挙げます。代表者として説一切有部の教説が挙げられてきます。
外境 ― 所縁(認識対象)
所縁に似る相 ― 行相(能縁心の上に所縁に似た相を行相と名づける)― 能縁の行相を相分と名づける。
能縁 ― 見分(能縁を事と名づく)
よって、見分の外に別に自体分を立てない。
所縁 ― 外境
行相 (相分) 〉 説一切有部の主張
能縁 〈
事 (見分)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
所縁 ― 相分
行相 ― 見分
能縁 〈 〉 唯識 (大乗の立場)
事 ― 自証分
三分は、これまでに見て来ました二分説ですね。その二分説の上に自証分を立て、自証分が識体であって、識体が転じて相分・見分になると説いてきます。
そして先ず、説一切有分の教説と比較しながら、相分・見分・自証分の在り方を説明します。
大乗及び正量部以外は、心識に離れて別に心外の法が有ると執していることを述べます。
「識に離れたる所縁の境有りと執する者、彼が説く外境は是れ所縁なり。相分を行相と名づく。見分は事と名づく。是れ心心所の自体の相なるが故に。」(『論』第二・二十七右)
「心外の境は是れ所縁なり。心の上に所縁に似る相有るを行相と名づく。体は即ち見分に摂するが故に。大乗の相見分を以て彼の宗に即して名を立つるのみ。」(『述記』第三本・四十四右)
客観的に事物が存在すると説く有り方と、唯識が説く説き方とを比較して相分・見分・自証分を明らかにしてきます。
本科段は、唯識に達していない人たちの解釈を挙げます。代表者として説一切有部の教説が挙げられてきます。
外境 ― 所縁(認識対象)
所縁に似る相 ― 行相(能縁心の上に所縁に似た相を行相と名づける)― 能縁の行相を相分と名づける。
能縁 ― 見分(能縁を事と名づく)
よって、見分の外に別に自体分を立てない。
所縁 ― 外境
行相 (相分) 〉 説一切有部の主張
能縁 〈
事 (見分)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
所縁 ― 相分
行相 ― 見分
能縁 〈 〉 唯識 (大乗の立場)
事 ― 自証分