第七、三界分別門に入ります。
問い
「此の十の煩悩は何の界にか繋(ケ)するや?」(『論』第六・二十右)
本科段は、三界の視点から十の煩悩を分析し説明されます。
三界
欲界を一地とし、
色界を四静慮に分け、 } 九地(一切地)
無色界を四無色界静慮に分ける。
(空無辺処・識無辺処・無所有処・非想非非想処)
この十の煩悩は三界の中のどの地に存在するのか?
構成は、三界繋属門と上下相起門と上下相縁門の三部門になります。
総論としては、瞋はただ不善であるからただ欲界にのみ存在し、他の九の煩悩は三界に通じて存在することを明らかにしています。
「瞋は唯欲のみに在り、余は三界に通ず。」(『論』第六・二十右)
三界分別門の中心課題は次の上下相起門と上下相縁門になります。
先ず子段第二は上下相起門です。上は上地(色界)、下は下地(欲界)。下地に居る者が上地の煩悩を起こすか否かについて論究されます。
今日はここまでにしておきます。