唯識に学ぶ・誓喚の折々の記

私は、私の幸せを求めて、何故苦悩するのでしょうか。私の心の奥深くに潜む明と闇を読み解きたいと思っています。

第三能変 煩悩の心所 諸門分別 (64) 第七、三界分別門

2014-10-02 21:57:27 | 第三能変 諸門分別第七 三界分別門

 第七、三界分別門に入ります。

 問い

 「此の十の煩悩は何の界にか繋(ケ)するや?」(『論』第六・二十右)

 本科段は、三界の視点から十の煩悩を分析し説明されます。

 三界

 欲界を一地とし、
 色界を四静慮に分け、          } 九地(一切地)
 無色界を四無色界静慮に分ける。
 (空無辺処・識無辺処・無所有処・非想非非想処)

 この十の煩悩は三界の中のどの地に存在するのか?

 構成は、三界繋属門と上下相起門と上下相縁門の三部門になります。

 総論としては、瞋はただ不善であるからただ欲界にのみ存在し、他の九の煩悩は三界に通じて存在することを明らかにしています。

 「瞋は唯欲のみに在り、余は三界に通ず。」(『論』第六・二十右)

 三界分別門の中心課題は次の上下相起門と上下相縁門になります。

 先ず子段第二は上下相起門です。上は上地(色界)、下は下地(欲界)。下地に居る者が上地の煩悩を起こすか否かについて論究されます。

 今日はここまでにしておきます。