兄妹二人きりの家族
もとは国鉄池北線、分割民営化を経て、第三セクター「北海道ちほく高原鉄道」
兄は4年前からその運転士をしている
北見から池田まで140㎞をひたすら走る
その長い鉄路にはトンネルは一つもなく、車窓には広々とした牧場、原生林と日本離れした情景が拡がる
この路線は「ふるさと銀河線」の愛称で親しまれていた
妹は今年高校受験だが演劇コンクールで優勝し、周囲の期待を集めている
兄は自分に縛られることなく帯広の高校へ進学するよう期待している
しかし、兄を置いてこの町を出る気にはなれず地元の高校に進むつもりだ
そんな折近くで映画の撮影があり周りの人たちは妹に見せようと現場へ連れ出すが感極まって現場から逃げかえる
3月に入り、公立高校の入試の朝
妹はお兄さんの運転する列車に乗り込む受験生の中にあった
「この列車はふるさと銀河線、帯広行き、帯広行きです」
「北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線」は残念ながら2006年4月21日をもって廃止されました
JRの時刻表を見ると北見~池田までバスが走っているようです
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