土曜日曜と、立て続けにいろんな試合を見ましたが、短いラウンドで終わる試合がなく、また長いラウンドに渡って濃密な攻防が見られる試合が多くて、正直楽しくもあり、しかしさすがにしんどいな、と思うこともあり。
その最たるものが、ラテンの英雄同士によるラバーマッチでありました。
ファン・フランシスコ・エストラーダvsローマン・ゴンサレスの第三戦目は、過去二試合同様の激しいラリーが続く展開。
初回、若干探り気味でスタートも、早々にロマゴンが踏み込んでワンツー、右クロスに右ボディストレート。
対するエストラーダがバックステップしながら右カウンター、左ボディから上にコンビ、という構図になる。
3回終盤、激しい攻防、出て連打のロマゴンに、後退しつつ、コンビ打つときはしっかり踏ん張って決めるエストラーダ、右カウンターの応酬したところでゴング。
4回もロマゴンがワンツー決めれば、エストラーダが左ボディアッパー、ロマゴンまた右、エストラーダも右カウンター。
こんなん、どっちにつけたらええの、もうわからん、というラウンド。
中盤も展開変わらず。ロマゴン出てワンツー端緒に連打。345678、と続けようとする。
フライ級までの頃なら、この中に一打で相手を止め、倒すパンチを打てたが、今はそうもいかない。
しかしその分、ボディにもパンチを散らし、淀みない連打で相手を飲み込もうとする「型」は確立されている。
エストラーダも間断なくロマゴンの攻勢にさらされながら、構え崩さず足使い、しかし止まるべきときはしっかり止まり、迎え撃ち。
左ボディを織り込んだコンビ、右カウンターで対抗。
8回あたりから、両者コンビにアッパーのヒットも入り始める。
9回、ロマゴン攻勢強め、エストラーダがロープを背負うように。
ロマゴン、ワンツー端緒に7連打。またワンツー。エストラーダ、致命傷になるようなパンチは外しているが、押されている。
最後左ボディ返すが、はっきり劣勢。
10回もロマゴンの小さいワンツー、右が入って、一瞬エストラーダの身体がロープに当たる。
このままロマゴン押し切るか、という流れだったが、終盤はエストラーダも下がりながら連打の手数を増やす。
共にパワーショットは打ち込めず、細かいパンチの応酬。
ロマゴンもインサイドからショートを打ち込むが、エストラーダ足使って回り込み、アウトサイドからの左ボディなど、ロマゴンのプレスを外しつつヒットを取る。
見た目にわかりやすいのはエストラーダの方か。
終始競った内容のラウンドが続き、採点しろと言われても本当に難しい試合。
個人的には中盤から終盤、前に出て攻勢を取りつつ渡り合っていたところを見て、僅差でロマゴンか、ドローくらいか、でも逆あっても不思議はない、という...要するにどっちかわかりませんでした(笑)。
判定は2-0、エストラーダ。
第二戦とは違って空席が見当たらず、場内のムードが非常に盛り上がっていた故に、エストラーダの見映えの良さが強調されたかな?という印象でもありました。
それにしても、試合内容や採点どうという以前に、この二人が闘えば、こうして互いに良さを出し合い、封じようとし合う構図が延々と続くのだろうなあ、と改めて思ったようなことです。
どうやっても、はっきりと差のついた決着にはなりそうもない。終わりなき「延長戦」を見た、という印象でした。
まるで未来永劫闘い続ける、神話の世界での神々の闘い、とまでいうと、さすがに大げさかもしれませんが...。
ただ、今後に関しては、もう他の相手と闘ってほしいなあ、とは思いました。
試合後、勝ったエストラーダ、第四戦についても峻拒するようなことはなかったらしいですが、いくらそこに彼個人の「利」があったとて、それは王者としての立場を証すことにはならない、という気がします。
問題はそこに誰が挑んでいくのか、という話ですが...ジェシー・ロドリゲスが「移動」してしまった今、青コーナーに立って然るべき、と言えるのはいったい誰なのか、ですね。
日本で大晦日にある試合が、それを決めるものになるのかどうか、蓋を開けて見終えないと何とも言えないのが、もどかしいところですが。