さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

ホープ難病に伏す DAZN来週日曜は中止か

2022-03-16 19:23:11 | 海外ボクシング



コロナに侵略戦争と、良きこと無き世界で、花粉症に文句なんか言うとる場合じゃない、という今日この頃ですが、毎週のようにライブ配信を見せてくれるDAZN、次の日曜のメインイベンターが、難病に伏す、というニュース

ウェルター級において、ジャロン・エニスと並ぶ新風、バージル・オルティスが「横紋筋融解症」という、聞いただけでも怖ろしげな名称の病気に罹り、試合キャンセルとなりました。


ちょっと調べてみただけでも「骨格筋の融解、壊死により、筋体成分が血中へ流出した病態」であり、
「流出した大量のミオグロビンにより尿細管に負荷がかかる結果、急性腎不全を併発する」ことが多く、
また、希にではあるが「呼吸筋が障害され、呼吸困難になる場合」があり、
「血液透析などの適切な処置が必要」などと、もう目を覆いたくなるような説明が目に入ってきます。


一言、絶句もの、です。まさしく難病、その典型というか雛形のような病気です。
試合のリスケ云々どころではなく、長期ブランク...で済めばまだ幸い、でしょうね。


その外連味無い果敢な闘いぶりで、ウェルター級の大御所クラスに挑み、その王座を脅かせるか...その可能性を秘めた猛ファイター、オルティスにとり、ボクシングとは別のところで、試練というよりも災難というべき事態です。
何しろ、まずは健康を回復してもらいたい、と祈るしかありません。
そして、再び、その勇壮な闘いを見せてくれる日が来ることを...。




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期待せずに見ていたら ウッドvsコンラン、衝撃の逆転劇

2022-03-14 09:32:23 | 海外ボクシング



ということで昨日は、春眠暁を覚えずというやつで、急に暖かくなった日曜日、惰眠をむさぼった末に、遅く起きました。
ああ、そういえば今週もDAZNボクシングあるなあ、と思い出し、メインだけ見とこうか、と思って見始めた次第。


リー・ウッドとマイケル・コンラン、おそらく英国の大箱が一杯になって大盛り上がりなんだろうけど、はっきり言ってどちらの過去の試合からも、目覚ましい印象は受けたことがなく...第三者というか他人というか、こちらにとってはさほど期待するようなものでもないだろう、というのが、試合前に思っていたことでした。
結果、見終えて、ただただ不明を恥じることとなりました。



初回、巧く上下を打ち分けて、相手の防御を乱したコンランの左一発によるダウンシーン。
2回、コンラン追撃、あわやTKOかという場面。
しかしウッドが半ば捨て身で反撃、一進一退。

中盤、両者疲れてフォームが乱れ、頭が前に出てラフな展開になったところ、レフェリーが適切な注意。
試合展開が再び、両者の力をクリーンに出し合う流れに戻る。

終盤、コンランが駄目押しに出るが、ウッドが逆襲、11回に左フックでダウンを奪い返す。
最終12回、ウッドが出て連打で攻め、最後は右ストレートがコンランの顔の真ん中「芯」食った、という入り方で、コンランの身体から力が抜け、ロープの間からリング下に転落する、衝撃のKOシーン。

試合後、熱狂する観客に対し、クールダウンを求め、コンランへの気遣いを示した勝者ウッドのマナーにも感心。
本当に、両者の健闘、場内の盛況、レフェリーの適切な仕事ぶり、そして壮絶なエンディング、示された敬意、何もかもが素晴らしく、感動的な一戦でした。
この時代だからこそ、リングの上で運命に導かれ、己の生き様で固めた拳で闘うボクサー同士が、激しく闘った相手と、闘争心のみならず敬意でも繋がっていることの崇高さが、改めて胸に迫ってきたように思います。

リー・ウッド、マイケル・コンランの両者に拍手です。
上記の通り、これまであまり思い入れのなかった選手ですが、コロッと変わりました(笑)。
好きな選手がふたり、増えました。



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※試合後の様子が画面には映されなかったので、心配だったマイケル・コンランですが、SNSで健在を知らせてくれました
しかし、この絵文字は泣かせますね。






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関西の二大王者、坂晃典と丸田陽七太の次戦決定 配信はどうなる?

2022-03-11 08:33:05 | 関西ボクシング




関西の貴重なチャンピオンたちの次戦が決まっています。

4月23日、府立では坂晃典の防衛戦。1位中川兼玄との指名試合です。
木村吉光戦では痛烈な敗北を喫しましたが、保持する日本タイトルマッチ、最上位の相手で再起なるか、という試合。

中川は粘り強い選手で、挑戦者決定戦もかなりの激戦でしたが、競り勝ちました。
ただ、今回の試合前にジムを移籍したとのことで...タイトル挑戦権を勝ち取って、いざ挑戦、というときに移籍というのは、あまり聞かない話で...よくわかりません。
まあ、本人が憂い無くタイトル挑戦に臨める、ということなら、問題はないのでしょうが。

この興行には、坂のジムメイト、久高寛之も日本タイトルマッチに出るのでは、と聞いていましたが、正式発表はまだなんでしょうか?
今のところ、発表あった、という記事はないような。もし決まればダブルタイトルで、見に行く予定(行くんかい)のこちらとしては、お得な話ではあるんですが...。

まあ、これに関しては見に行く予定ですんで、関係ない(笑)といえばそうですが、ライブ配信はあるんでしょうかね。
おそらくBoxingRaiseとか、YouTubeのBOXING REALチャンネルとか、その辺で録画配信、というのがありそうな感じ、ですかね。



と、もうひとりの関西勢、日本フェザー級チャンピオン丸田陽七太は、5月15日に墨田区総合体育館にて、こちらも1位、今は凡才を自称する天才レフティー、阿部麗也との指名試合。
清々しい舌戦、なんだそうですが(笑)まあ、そういうのはおいても、浪速のアルゲリョと言われる(言われてないか...)長身のパンチャー丸田と、天才を謳われながらタイトルに無縁のサウスポー阿部、上昇期と再上昇期?の激突です。
いや、これは要注目。勝った方が「上」を目指す、と言いうる好カードでしょう。

会場はまさかの?墨田ですが...以前、伊藤雅雪と三代大訓が闘ったあの会場です。
5月15日、日曜日ということですが、昼にやるのか夜にやるのかなど、色々気になるところではあります。
これはDANGAN興行ですが、丸田の前戦、日野遼戦はZAIKOというところで、PPVによるライブ配信がありました。
なんとか今回も、形どうあれ、同様に、とお願いしたいものです。
FODかひかりTVだったら、お財布に優しい話で助かったんですが(笑)。




と、もう来週末に迫って来た、矢吹正道vs寺地拳四朗の再戦は、AbemaTVでのライブ配信が決まったとのこと。
無料の配信というのは良い話で、しかも全試合配信というから、なおさらです。
ただ、ここの配信、井上尚弥のPPVで見たときは、良い画質だったのですが、普通のチャンネルは画質が落ちるんですね。
しかも、アーカイブ置かれるかどうか、現時点で不明。過去の例で行くと、そういうの無いのかもしれず。

おまけに解説が亀田だとかいう話も。遂にこのレベルの試合にまで、でしゃばってくるか。
無料ですが嫌ですね。ていうか、金もろうても要らん(笑)。
ま、会場に行くんですから、これこそ関係ないんですが...そうは行かない方々のためにも、場内音声のみの配信を是非、お願いしますAbemaさん(笑)。


あとは前回同様、後日WOWOW録画放送に期待するところです。こちらは画質等々、色々安心ですし。
WOWOWさんも、日々の放送枠を埋めるカードに困っている風でもありますので、是非に、と。



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もう後がない? 小國以載、3年ぶり再起戦で栗原慶太と対戦

2022-03-10 16:04:39 | 小國以載




小國以載、3年ぶりの再起戦が決定。5月20日、栗原慶太と後楽園ホールで。
2019年5月のスックプラサード戦以来、3年ぶりのリングとなります。


まず思うのは...というか、誰の思いも同じかもしれませんが、海外からの選手招聘が好きに出来ない現状とはいえ、格下相手に様子見、というのでなく、いきなりこの相手と組むのか、ということです。

それはつまり、言ってしまえば、小國本人及び、周辺の認識も、もう後がない、という表現に近いものがある、ということでしょう。
年齢やキャリア、そして負傷で大きな試合を流した、という表面に見える話のみならず、実際に闘った試合においても、時に重篤な負傷を抱えたまま闘っていたりとか、見えてこない話も全部含めて、今の小國が置かれた立場、状況はかなり厳しいものがあるのでは、と。
それ故に、ここでひとつ「勝負」をせねばならない。それも早急に。

元世界王者のベテランというイメージから遠く、若々しいイメージのある小國ですが、過去の似たような立場の選手同様、この手の試合で、その進退を問われることになりそうです。


一階級下とはいえ、見た感じ、一階級上げても違和感なく出来そうな強打の栗原慶太相手に、以前と同じく、遠くから相手のインサイドを正確に叩くボクシングを、高い精度で実現出来るものかどうか。
小國以載はキャリアの要所で、予想不利を覆して勝つ、ということを繰り返し(ロリ・ガスカ戦、芹江匡晋戦、グスマン戦など)てきた、軽視してはならない勝負強さを持つボクサーですが、それでもさすがに今回は...と心配になろうというものです。
その反面、それでもまた、すんなりと涼しい顔で勝っていたりするのかもしれない、と思ったりもしますが...はてさて、どうなりますやら。


何しろ楽しみな、というに止まらない、見逃せないカードが決まりました。

A-Sign興行とのことで、BoxingRaiseないしは、A-Signチャンネルでの配信は必ずあることでしょう。
ひょっとしたらG+の線も...と思いましたが、金曜日ですのでそれはないか。
いずれにせよ、ライブであることを願います。そうでないと、また色々と考えねばなりませんので(何をや)。





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西から上ってホールの主役 津川龍也、ユース王座獲得

2022-03-09 06:11:07 | 関東ボクシング





ということで昨夜のFODプレミアム、ライブ配信のフェニックスバトル興行は、8回戦5試合が全部KO決着。
メインとセミの大橋ジム再起組、中嶋一輝と桑原拓は、揃って初回KO勝ちでした。

中嶋一輝は、ベテラン川島翔平を、側頭部への左一発で効かせて倒す。
スタイル改造とか、闘い方をテクニカルな方へ正す、とかいう話の前に終わった、そんな試合でしたが、細かいことは抜きにして、思うように身体が動いて、打って避けて、とやれていた。
階級上げて初戦の快勝、再起成る、というところで、今回は充分でしょう。

桑原拓は、相手の久野喬が硬いうちに、速い左フックで効かせて、さらに速い追撃。久野が反応できない状態になっていて、早々にストップでした。


と、メインとセミが初回で終わったわけですが、セミセミは見応えある攻防の末、津川龍也がスーパーバンタムの日本ユース王者、石川春樹を7回TKO。
小柄な強打の石川に、リーチを生かしたジャブから当てて行き、打ち合いになっても正確さでまさった津川が、見事に打ち勝って、ストップを呼び込みました。

この試合が、全5試合中、一番の熱戦、好ファイト。
試合に恵まれず、ブランクも2年ばかりあった津川ですが、全日本新人王の実力を改めて見せ、この日、ホールの主役を張った、と言っていいでしょう。
良い試合をライブで見られた、という喜びがありました。
ユースとはいえ、関西にタイトルホルダーがひとり増えたので、今後が楽しみです。



井岡ジムから大橋ジムに移籍した安達陸虎、西の実力派、湊義生は共にKO勝ち。
これも、西からライブ配信を見ている者には嬉しいことでした。
川島翔平は残念でしたが...歴戦の技巧派もこれで4連敗とのこと。厳しい時期のただ中にある、というしかないですね。



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ところで、この日は大橋秀行会長の誕生日だったそうですが、正直、いくつか見た報道、記事ないしはそれに類するものの中には、取材する側とされる側の関係性としては、距離感というか立ち位置が間違ってませんか、と言いたくなるものが散見されました。
細かいことを...と思う向きも多いのかもしれませんが、社内報に載せるものやないんやから、と。
お誕生日おめでとうございます!みたいなの、いくらなんでも...もうちょっと「弁え」があって然るべきなんじゃないですか、と。
まあ、そんなことを気にする必要はない、それが日本のボクシング業界なんでしょう、か。なんともかとも。




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すぐに次のライブ配信がやってくる 本日FODで中嶋一輝再起戦

2022-03-08 07:49:24 | 関東ボクシング



ということで本日18時から、FODプレミアムにて、中嶋一輝、桑原拓再起戦などのライブ配信あり。
先の土曜日、G+で生中継を見たばかりで、今日、火曜日にはこれですから、地方に居ながらにして、月に三回もホールの試合をライブで見られる、少し前までは想像もしなかった日常が、現実になっています。
なんかもう、矢継ぎ早で、ちょっとあたふたしてしまいますね。







計量の記事
中嶋一輝はボクシングマガジンの記事によると、バンタムでは相当体重がきつく、コンディション面で限界だったようです。
今回、スーパーバンタムも少し超えた56キロ契約ですが、目に見えてはっきりと、とはいかずとも、少しずつ改善が見えればいいですね。


今日は8回戦ばかり、6試合予定、中垣龍汰朗の試合が中止になって、5試合
関西から湊義生や川島翔平が出るし、津川龍也が石川春樹と闘うのも要注目。安達陸虎も当然気になる。
これをライブで見られるのはありがたいです。

個人的には、どうしても地方からホールに呼ばれる選手に気持ちが入ります(笑)。
当然、予想は不利でしょうが、そういう試合で勝てば名が上がる、というものです。健闘を期待します。





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久々に少し余裕あり? ロマゴン、体重超過マルチネスを圧倒

2022-03-07 06:54:41 | 海外ボクシング




ということで昨日はDAZNライブ配信。全部は見られませんでしたが、セミも賑々しい試合で楽しく(笑)メインは当然、じっくりと。
ローマン・ゴンサレスが、体重超過のフリオ・セサール・マルチネスを、ほぼワンサイドに打ち込んでの判定勝ちでした。


ここ数戦は、以前あった連打の組み合わせの即興性みたいなものがあまり感じられず、懸命さが印象に残る闘いぶりだったロマゴンですが、今回は少し余裕もあった感じ。
強振せずに軽め、ないしは7~8割のパンチを当てて入り、ボディ攻撃を織り込んで相手を止め、中盤以降強打も、という狙い通りの試合運びと見え、4回、6回、7回と、返しの左フックなど打ち込み、ダメージを与えると、終盤もペースを落とさずに攻めきっての、大勝と見えました。
公式採点、思ったより...という数字もあったみたいですが、見た感じでは11対1か、10対2くらいまで、でした。



JCマルチネスは、体重超過したわりには小さく見え、いつも通りにアウトサイドから打って、インサイドに強打を狙う攻撃をしたかったのだろうが、外から打ってもロマゴンのガードを叩くだけ。
後続のショートに至っては、ロマゴンのリターンが来るので、打つこと自体ままならない。
結果、外からのパンチだけで止められ、逆に上下左右と多彩に打ち込まれていく、という流れのまま、終わり。
劣勢続きでも倒れなかったことや、反撃の手を出し続けたことは普通なら称えたいところですが、悪いけど、ああ、この辺が「効能」なのかなあ、という疑念が先に来るもので...。

おまけに体重超過の件もあり。その割りに小さく見え、体格の優位を振りかざして、という試合にもならなかったですが、この辺は当日計量の設定を厳しくやられた、ということなんですかね。
だとしたら、まだマシな話ではあるんですが。


何しろ、いろいろ難しくややこしい試合になるかもしれなかった一戦を、思う以上に無難に、そして良さを出して勝ったローマン・ゴンサレスに感嘆させられた、そんな試合でした。
DAZNの実況が、井上尚弥の名前を終盤に出していて、まあ適当に言いよるな、以前はともかく、もうはっきり階級違うし、と思っていたら、本人もこんな感じみたいです(笑)。







まあ、この話はともかく...この映像は試合後なんですよね。
だとしたら傷も腫れもない、綺麗なものです。今回は本当にお見事でした、というところですね。








フルカードハイライト。フランスのスレイマニ・シソコも登場。こちらもダウン応酬。
マウリシオ・ララも、盛り上がる試合してました。ええのかね、って感じでもありますが。




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鮮烈にして非情の新旧「完全」交代劇 岩田翔吉、大内淳雅をワンパンチKO

2022-03-06 11:19:05 | 関東ボクシング





ということで昨夜はG+生中継。カタールGP予選ではなく、ボクシングの方について。

日本ライトフライ級タイトルマッチ、チャンピオン岩田翔吉が、昨年、日本タイトル挑戦権を賭けて闘い、判定に下した歴戦のベテラン、大内淳雅と再戦。
キャリア19年、タイトル挑戦4度目、まさに執念のファイター大内、おそらく、キャリア最後の大勝負でした。


試合開始、リードからのコンビ、ダイレクトともに、岩田の速いパンチが確実に大内を捉えるスタート。
正直、いくらなんでもこの調子では保たない、しかしこれがずっと続くわけでもあるまい...と思った1分過ぎ、大内が左で探った?ところに右クロス、一発。

大内倒れて、立ち上がるが踏ん張れず、レフェリーが試合を止めました。
スローで見ると、倒れたときに右足を捻っていました。酷く傷めたようで、退場時にはセコンドの肩を借りていました。
単に不運というのでなく、岩田のパンチが与えたダメージが強烈だった故に、足が上手く「抜け」なかったのでは、とも見えた負傷でした。


試合内容としてはもう、強烈な、鮮やかな新旧交代、それも「完全」な、駄目押しとも言えるものでした。
単に身体がほぐれないうちに良いの入った、というだけではない。
岩田翔吉が新たに東から昇る陽であり、残念ながら大内は西へと沈む陽だった。
立ち上がり早々から、その違いがリングの上に、鮮烈なコントラストを描いていた、と思います。


キャリア19年、日本王者や上位、後に世界のタイトルを手にした選手にも挑み、果敢な闘いを見せてきた大内淳雅は、またも日本王座に手が届きませんでした。
その試合ぶりは過去に何度も見て、拙ブログでも感想を書いてきましたが、本当に、どこかで一度は王者になっていても不思議ではない実力者だった、と思います。


しかし、寺地拳四朗や矢吹正道に、敢闘報われず敗れた試合から、岩田翔吉と二度闘うに至る近年の経緯は、それまでにも増して「執念」の闘い、と傍目には見えました。
その実力も目に見えて落ちるどころか、要所で後の世界王者を脅かす場面もあったりで、変わらずギラリと光るものがありました。
本人の心中に、敗れてもなお、リングの上に追い求めるものがあり、その夢は消えていなかったのでしょう。


そして迎えた岩田との再戦で、残念ながら大内は、過去の試合で見せた輝きを、凄みを見せることなく敗れました。
残念ながら、結果のみならず、その過程の部分で、厳しいものが残った敗退でした。

この試合は大内にとって、完全な「決着」の一戦になるのかもしれません。
長きに渡って闘い、移籍や上京、帰郷、そして眼疾という災難も含め、リングの上で、そして下で、数々の試練を乗り越え、闘い続けてきた日々が、遂に終わるときが来たのではないか。

もちろん、傍目のこちらが勝手に思うだけですが、その実力あればこそ、長きに渡る執念の挑戦も、見ていて納得感のある、そんなボクサーでした。
だからこそ、今回の試合において、これほど非情で鮮烈なコントラストを描くことにもなった。
勝ち負け以前のところで、私はひとりのファンとして、そのこと自体に敬意を払いたい。今はただ、そんな気持ちです。




勝った岩田翔吉については、感嘆するしかありません。
考え得る中で、これ以上無い、見事な「撃退」でした。
まさに昇竜の勢い、と言うべき姿は、目に眩しく映ります。

遠からず、それこそ矢吹正道、寺地拳四朗、京口紘人といった、世界王者クラスの誰かと闘う機会があることでしょう。
そこでさらなる成長を、スケールアップを示すことが出来るか。
彼について語る話は、もう日本王者としてどう、というところからは離れてしまうのかもしれませんね。




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ドーピングと計量失格のセット 認定団体はまたWBC

2022-03-05 15:28:13 | 海外ボクシング




本当ならファン・エストラーダとローマン・ゴンサレス、三度目の対決にして決着戦のはずが、エストラーダ欠場により、フリオ・セサール・マルチネスが代役に立ち、これはこれで好カードか、と楽しみにしていた明日の試合ですが、マルチネスが計量失格
またかいな、というしかありません。

それにしてもメキシカン、そして某陣営に関わった選手は、判で押したようにドーピング疑惑、そして計量失格が続きます。
もう、セットメニューやないか、と言いたくもなりますね。
ただ、この試合、無冠戦ですけど、またWBCが変なベルト持ってくるらしく...「セット」にもうひとつ乗ってくる、デザートのイチゴみたいなものですね。


...もう、いい加減この手の話、飽き飽きしてるんですが。
昔日のカルロス・サラテは、転級して挑んだウィルフレド・ゴメス戦で体調不良に見舞われて惨敗したものの、無理矢理体重作って、試合を壊すことはしませんでした。
しかし、今のメキシカン連中は、上記の記事にもあるように、それも込みで保身に走ろうとする手合いばかりですね。

対するローマン・ゴンサレスは、スーパーフライ級では体格が小さい方で、今回も結構余裕もってパスしています。
明日の試合、勝ち負けどう以前に、嫌なことになりやせんやろうか、と、今から暗い気分になりますが...はてさて。





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デッドライン回避なる ゴロフキン、村田戦正式発表

2022-03-04 08:54:42 | 関東ボクシング




直前に海外報道が出るパターンで、これは数日の内に正式発表になるだろうと思っていたら、もう次の日でした。
ということで昨日、ゲンナジー・ゴロフキンvs村田諒太戦、正式発表あり。
日本側の出場選手が揃って会見し、ゴロフキンもビデオメッセージを出したようです。


まあしかし、世界的スター選手を招いての、本当の世界的な試合というのは、そうそう簡単に実現出来るものではなくて当然、とは思いますが、このカードに関してはもう、紆余曲折を経て、なんて言い方では生易しいレベルです。

もちろん、コロナパンデミックなんて、誰も想像し得ないものではありますが、またそれにまつわる余計なあれこれも積み重なって...こちらの記事では、村田がその心情を、かなり切実な表現で語っています。
もちろん、長期にわたって試合が出来なかった背景には「それ以前」の理由もあるわけで、それは割り引いて聞かねばならないにせよ、それにしても、大変だったんだろうなあ、と思いもします。


まあ何しろ、やっと本当にやれるのですから、あとは両選手の健闘に期待します。
と、しかしここまで本当に長かったんで、いざ予想やなんやと書こうと思っても、ほとんどすでに過去記事で書いてしまってますね(笑)。

予想については、こちらのコメント欄でちょこっと触れています
あと、Amazonプライムのライブ配信というのも、改めて画期的です。



こちらはDAZNのトレーラー動画。
ゴロフキン中心に作られているのはまあ、当然ですね。







で、試合時間については、井上尚弥の試合とは違い、何しろミドル級だし、ひょっとするとあちらのプライムタイムに合わせての昼間興行になる可能性も?と、ちょっと思っていましたが、帝拳ジムのHPなどを見ると、第一試合17時開始、とあります。
残念ながら、やはり、あちらではそこまでの注目カードではない、ということなんでしょう。
まあ、そこは結果で覆せる話ではありますが。本当に、勝てばそれこそカネロ戦に名乗り、という話になる可能性もありますし。


アンダーカードも楽しみですが、中谷潤人は山内涼太との対戦になりました
こればかりは、メインだけでも色々大変なので、と思うしかないでしょうね。
まあ、前回の発表時に決まっていた選手とて、見るこちらからしたら、そんなに気を入れて見ないかん、という相手ではなかったですが。
近々転級も具体的になるでしょうし、本当の「勝負」どころは、この階級ではないのかもしれません。

山内涼太の試合は数試合見ていますが、上昇期の好選手で、記事にあるように、決定打を持つ選手でもあります。
されど...個人的には、この選手が次に「挑む」先は、中谷ではなくユーリ阿久井であるべきだったろうなあ、と。
まあ、ここから先は、誰の思うことも同じでしょうから、省きますが。




最後に、杉浦大介氏のTwitter。





これほどの大興行でありながら、会見発表から試合まで、ひと月少々。いかに際どいところだったか、容易に想像出来てしまいます。
このTweetには、心底から同感です。もう何ごともありませんように、と。



ということで、またしても遠いところに行かねばならんなあ、と(行くんかい)。
まあ、遠くまで足を運ぶから遠足というんでしょうが...なんだかんだ言って、楽しみな予定をひとつ立てられるわけで、それは幸福なことですね。




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