さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

揃って辛勝、しかし中身のある試合

2021-04-10 14:22:31 | 関東ボクシング



一昨日のアンダーカードですが、こちらの記事にもあるとおり、保坂剛、藤田裕崇が揃って判定勝ち。

保坂のことは何も知りませんでしたが、元インターハイ王者、世界ユース選手権3位、フィリピンでデビューして4勝3KOのサウスポーという、何ともカラフルな経歴。
今回がプロ転向後、国内初の試合ですが、相手がいきなり福井貫太とは、と驚き。

「お手並み拝見」というところでしたが、初回、自信満々という風情の保坂が思い切りの良い踏み込み、パワフルな左一発、いきなり福井の瞼を切り裂く。







しかし徐々に福井が立て直し、5回の右クリーンヒット以降は、福井が抑えていったか。
(寝屋川石田ジムコーナーの止血も見事で、かなう限り出血を抑えていました)。
ただ、7回が微妙で、そのぶん?判定は保坂。5対3か、4対4まではありかという印象。
いずれにせよ、保坂にとり、5戦目で快勝出来る相手ではなく、試練の一戦でした。




勝ちは全KO、前回は初回19秒KO勝ち。倒し屋の藤田も、長身の曲者、赤岩駿を豪快に倒すというわけにはいかず。
スタンスを踏み換えての右フックなど、攻撃的な中にも技が見える藤田だが、赤岩のアッパー含めた連打を浴び、ヒット率で劣る回もあり、初の判定勝利となりました。






保坂、藤田、共に海外から弱い相手を呼べる情勢なら、そういうカードで豪快なKO勝ちを見せていたのだろうな、と思いますが、幸か不幸か、国内から相手を探さねばならず、共にその経歴や実績もあって、骨のある相手でないと受けてもらえない、ということだったのでしょう。
上記の通り、アマ歴が優秀とはいえ、5戦目で福井貫太に勝った保坂、やりにくいことこの上ない技巧派の赤岩を押し切った藤田、揃って試合後は険しい表情でしたが、噛ませさん相手の楽勝などより、遙かに中身のあるキャリアとなる試合でした。

こういう「ホンマ」のカードが、タイトルマッチやアンダーカードを問わず、どんどん組まれていくことで、嘘偽り無い選手の技量力量が見られるし、その中を派手な戦績で勝ち上がれる者がいたら、その力が本物だ、とわかりやすく示されることでしょう。
地味な話ではありますが、コロナ云々がどうなろうとなるまいと、それを明確に示し続けていくことしか、ボクシングというスポーツが生き延びる道は無いのだ、と改めて強く思います。



ところでこの日は、4回戦一試合を含め、メインまで全4試合が、全部ライト級以上で揃う、ちょっと珍しい興行でした。
メインはもとより、結局一度のダウンシーンもないまま終わりましたが、それでも見終えて、非常に満足度が高かったです。
重いクラスでも良い選手が増えて来た、という傾向は変わらずありますし、やはり実力が拮抗したカードというものは、判定でも充分、見ていて引き付けられるものですね。



写真提供は引き続き「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。
いつもありがとうございます。


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