さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

決定力の差を、攻勢だけでは埋めきれず 富施郁哉陥落、増田陸に連敗喫す

2024-07-18 21:45:28 | 関東ボクシング


ということで何しろ配信三連戦、しかもそれぞれメイン単体のみならず、見どころ十分の興行が並ぶので、簡単に感想書いていきます。


富施郁哉は雪辱を期す初防衛戦でしたが、増田陸に結果として連敗。4回KO負けでした。
初回は先手で左をヒットしていくも、増田の左フックでふらつき、ポイントを落とす(と見ました)。
2回、増田が正確で強い右リードを押し立てて、左の後続打に繋げる。
3回、富施が奮起して手数を出し、攻勢点を取った上、増田の右瞼カット。パンチによる、と裁定。けっこうな幅の傷。場所も悪い。

4回、富施が勢いに乗る流れかと思われ、実際攻めていたが、左を当ててなお、追って打ちかかるところに、増田の右フック一発、富施ダウン。
立ったがレフェリーがダメージ深いと見てカウントアウトしました。


結果として、前回同様、互いにヒットは奪えるが、一打の威力の差、決定力の違いが出た試合になりました。
攻勢を維持しつつ、防御でも相手を上回れるか、が富施のテーマだったと思いますが、KOシーンでも攻める体勢のとき、はっきり左ガードが下がっていたし、増田がそれを逃さずに打てたことと併せて考えると...必然の結果だったのでしょうね。


増田陸、日本チャンピオンとなりましたが、その強打の威力は素晴らしいものの、課題もあることが見えた一戦でした。
今後世界を目指す上で、上相手でも充分通じる、と見える長所の陰に、やはり少ない試合数なりやなあ、と見える不足も確かにある。
いずれバンタム、ないしはSバンタムで王者たちを攻略するには、攻撃で相手の力を削ぐ、強者の闘いのみならず、時に巧者と見えるような試合運びが出来るようでないと難しい。
その部分をどう改善していけるか。期待と共に注目したいと思います。



ライト級のアジアトーナメントは、今永虎雅がマービン・エスクエルドを2回に、キドニー・ブローすれすれの脇腹打ちで倒し、KO勝ち。
齋藤陽二は中国のウー・ハンユンに手数で劣り、ヒットを喫しながら4回に左ボディで倒し、KO勝ち。
共にボディブローがフィニッシュになりましたが、内容的には今永が圧倒的に上。
齋藤はインタビューでの語り口からするに、自分が一番よく分かっているんでしょうが、不出来な内容でした。
決勝で激突となる両者、もちろん別の試合ですから別の話になる、という見方もありましょうが、今のところ今永有利の予想が多いでしょうね。
齋藤の奮起がまずは求められる一戦となりそうです。


金城隼平は元トップアマの技巧と安定感を見せ、平井乃智をリードした8回、終了間際に打ち込んでTKO勝ち。
井上尚弥の幼馴染みにして元Jリーガー山口聖矢は、長身の本多俊介とダウン応酬の熱戦でしたが、最終回を抑えられ判定負け。
また、昨年フェザー級新人王戦で本命視されながら敗れた山川健太、長身で大柄な北本慶伍のリーチを克服出来ず、打ち込まれて2回TKO負け。
山口、山川と大橋ジムの若手が敗れました。新人王戦ともなると相手を選べず、共にやりにくそうな相手と当たって負けた、という試合でありました。


コメント (4)
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