さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

京都の逸材は、思った以上に強くなっていた 大森将平、見高文太とのサウスポー対決に完勝!

2014-10-19 20:37:23 | 関西ボクシング


本日は、時間が取れたので、急遽思い立って、WOWOWを見たあと京都に行ってきました。
若手といえる選手がメインの興行だったわけですが、スペクタクルな試合を数多く見られて、
期待以上に見応え充分、というか、これは見てない人、損したなー、と思うような凄い興行でありました。



京都の「長谷川二世」こと大森将平は、全日本新人王の見高文太と、若手サウスポー対決。
クリスチャン・エスキベルを沈めた星で、一躍世界ランカーとなった若きサウスポーですが、
エスキベルの当時の状態を割り引いて考えれば、逸材ではあっても、まだ過大な期待は...とかなんとか、
賢しらに考えていたこちらをあざ笑うかのような、圧倒的な強さを見せつけての快勝でした。

1回、両者正対して右ジャブ(上下)、ワンツーの応酬。リーチはほぼ同等か。
大森の左がやや伸びでまさる。見高も思い切りよく踏み込み、左を浅くヒット。

2回、大森が徐々に、しかし確実にペースアップ。右ジャブがダブル、トリプルでビシビシ決まる。
ワンツーで見高を脅かし、クリンチに来る間際にも右ジャブで突き放し、クリンチを許さない。
そして少し間を置いて左ロングフック、右ジャブで入って左アッパーと、多彩な攻め口を見せ、
この回終盤には、三連続のワンツー。この「ツー」がそれぞれ、左ボディストレート、外からクロス、最後がインサイド、と
見事に三種類の左を打ち分け、見高も外しきれずにクリーンヒットを喫する。

3回、開始早々大森が猛攻。左ストレート、右フック、アッパーを交えたコンビネーションを
矢継ぎ早に繰り出し、見高を捉え、ワンサイドに打ちまくる。
見高反撃の手が止まって打たれ、レフェリーストップ。
大森将平、同じ関西圏の若手相手に、圧巻の強さを見せつけました。


正直言って、新人時代、その後の数試合、そして5月のエスキベル戦を見た上で、
大いに期待する反面、まだ試されていない部分も...的な見方をしてもいたわけですが、
タイの噛ませ的選手では無く、本気で思い切りよく打ちかかってきた若手相手に、
これだけ完璧に「寄せ付けない」勝ち方が出来るとは。予想以上に早く、強くなってきています。

これなら次が日本やOPBFの試合だったとしても、何も問題なく送り出せるでしょうし、
よほど厳しい相手に当たらない限り、充分勝算ありと言えるでしょう。
何よりも、身体の柔らかさと、そこからくるパンチの伸び、独特のリズムといった特徴だけでなく、
身体全体が大きく、強くなっているように見え、その闘いぶりも、非常に技巧的であると同時に
「本格派」とでもいうべき凄みを感じさせるものでした。

「強い。思っていた以上に強くなっている」という、心地よい驚きをもらえた一戦でした。
見に行って良かった。ますます今後が楽しみです。
どんどん試合を重ねて、大きな舞台に進んで欲しいですね。


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セミファイナルにはプロ転向二戦目の「拳四朗」が登場。
タイのファウアナイ・ウォースラポン、という選手と、50キロ契約6回戦でした。

デビュー戦と比べると、拳四朗が一発一発にパワーを込めて打っていて、力強さを感じる闘いぶり。
相手がサウスポーにスイッチして、意外に巧いな、と見えたのですが、お構いなしに攻め込む。
初回、右ストレートから左フックを下に返してダウンさせ、二回に左フックから右で倒してフィニッシュ。
ダメージ深いタイ人、しばらく立てず、リング降りるのも一苦労という強烈なKOでした。

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今日は前座でも見所ある試合が多くありました。

以前、一度見たことがあるグリーンツダの中谷有利というフェザー級の4回戦ボクサーが登場。
この選手、とにかく派手なボクシングで、基本両手をまっすぐ下げる、ノーガードの構え(?)。
ところが長身、リーチに恵まれ、相手の攻撃を外すと、怒濤のごとく打ちまくる。
そのパンチがまたよく伸び、打ち抜きが効いていて、右ストレートから左をボディに返し、アッパーも狙い、
相手がひるむとまた右、とやっていて、攻めている時の姿は、大げさに言えば往年のハーンズばり。
この日も初回から豪快に打ちまくり、あっという間にKO勝ちでした。

今日はスーパーフェザー級で、たしかまだ三戦目か四戦目か、ちょっと確かでは無いのですが、
まあ何せそのくらいの段階ですから、あの無いも同然の防御でこれから通るものなのか不明ですが、
まあたまたま会場で見かけたら、強烈な印象が残る選手であることは確かです。
こちらも、こわごわながら、今後を見守りたいです。


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ウェルター級の4回戦で、これまた場内大興奮の熱戦がありました。

地元京都はWOZジムの中西勇輝は、デビュー戦黒星の、1戦1敗の戦績。

対する大阪帝拳のサウスポー、三好竜太は、デビュー戦。
バランスの良い体格で、パワーとスピードを兼備していて、いかにも大手ジム期待の選手、という風。

初回から三好が右をひっかけ、左で中西をぐらつかせ、優勢。
しかし終盤、攻め込む三好に中西が起死回生の右フック一発、三好がダウン。
2回、三好が立て直す。中西攻めるが、三好が左を決めて今度は中西ダウン。
ダメージ深そうだったが、ゴングに救われる。

3回、中西はしつこくボディを攻める。三好、徐々に疲れがあらわに。
左を二度当てるが、中西が手数で押す。
4回、中西左右のボディブローを、まるでラバナレスかバズーカ・リモンか、という勢いで打ちまくる。
三好左返すもふらふら。上体を折りつつ粘る三好だったが、中西が左フックを打ち込み、レフェリーストップ。

両者、全力を振り絞った壮絶な打ち合いでした。両者に拍手です。
勝った中西は、デビュー戦黒星で、これが二戦目の初勝利というのが不思議なくらい、強く見えました。
負けた三好ですが、恥じることのない好ファイト、そして抜群の素質を見せました。次に期待です。

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そのほかにも、真正ジムの東泰誠という、なかなか巧くて集中打も出るサウスポーなどなど、
印象的な選手や試合が多く見られて、改めて、見に行って良かったとしみじみ思う、良い興行に当たりました。

ということで今日は疲れたので、WOWOWで見た二試合については、また後日。
ちょこっとでも何か書こうと思っています。

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2 コメント

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Unknown (R35ファン)
2014-10-19 22:39:09
こんばんは。大森君の試合、是非映像で見たいです。益田さんとやっても良い勝負(勝てると言いたいですが割引)は出来ますよね。ウォズジムと言えば昔スーパーフェザー級で吉澤君というセンス抜群の選手がマッチメイクに恵まれずいつの間にかいなくなりましたが 大森君はその才気に見あった舞台に上がって欲しいです。例えば関西どうしでツニャカオ相手でも面白いと思います。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2014-10-21 19:49:55
>R35ファンさん

KBS京都ででも放送してくれたら嬉しいんですけどね、以前の徳永vsポンティーリャス戦生中継番組が、余りに不幸な結果に終わったのが、返す返すも残念です。
吉沢佑規でしたっけ、良い選手でしたね。相手も強いのとやってましたし、期待してたんですが。色々難しいんでしょう。大森は試合の機会をどんどん与えてほしいところですね。

益田とやれば、という話ですが、以前なら経験豊富な益田が、待ちの展開で大森の攻防の間隙を突く形に徹することが出来れば、益田の勝ちだろう、くらいに思っていましたけど、今回の大森の試合ぶりを見ると、大森は「普通に良い若手」の枠に収まらないレベルに来ているのでは、と思ってしまいます。それくらい、強烈な印象の残る試合ぶりでした。



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