さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

前の手で倒せる、長身サウスポーの強み 下町俊貴、5回TKOで凱旋防衛

2024-04-15 00:03:57 | 関西ボクシング



土曜日府立地下のメイン、日本スーパーバンタム級タイトルマッチは、戴冠戦と初防衛を東京で闘った下町俊貴が、1位のデカナルド闘凜生を5回TKOで下し、二度目の防衛となりました。


両者共、立ち上がりから好調そう。動きに切れがある。初回は互いに探り合いか。右ジャブのぶん、やや下町?
2回、デカナルドは振りの小さい右ショート。大振りにならず、最短距離のパンチを狙う。下町左のガードが良い。
デカナルド、仕掛けて左フック、良いところに届いたかと見えたが、下町すぐワンツーストレートを決める。互いに好打。

3回、デカナルド、左リードジャブ。ワンツーは下町、距離で外す。下町のボディ攻撃、遠目から。
デカナルド、外してから入ってショートで連打。しかし下町、距離が詰まってもガードが良い。

4回、下町ワンツー、左ボディアッパー。少し効いたか。デカナルド懸命に返す。連打は4発、5発と続く。
普通の相手なら効果的なコンビだが、下町ガードが締まっている。下町また遠目から左ボディアッパー。同じパンチを上にも。

デカナルド、力感はあるが大振りはない、良い攻め口を見せている。
しかし下町、ガード堅く、ボディブローで食い止め、右ジャブで遠ざける、という流れを譲らない。


中盤以降、回を重ねる毎にデカナルドは苦しくなっていきそう...と思っていた5回、一気に決着しました。

サウスポーの前に出た右脇腹、レバーを打ちに来たデカナルドに、下町、インサイドから小太刀のような右アッパー。
レバー狙いの相手に、前の手で打てる対抗策、というパンチだが、見事に決まってデカナルド、ダウン。
立ったがダメージ残るデカナルドに下町追撃。畳みかけつつ、よく見てもいて、反撃を外して右フック、こめかみに。二度目のダウン。
なおも立ったデカナルドに、左ボディ、右フック、左ストレート。反撃の左右を振りながら前に崩れるデカナルドを、レフェリーが救って、TKOとなりました。


下町俊貴の、心技体の充実をほぼ全て見られた、という試合内容でした。
日本チャンピオンとして、誰の目にも納得感のある巧さ、強さを見せた、と言って良いでしょう。

ボクサーというもの、前の手で打つパンチで相手を倒すというのは、ひとつの理想ではありましょう。
それを長身、しかもサウスポーがやれることの強みというのが、存分に見られた試合でもありました。

下町俊貴、新人王決勝戦でも前の手の威力を見せて勝ち、見事ノーマークからMVPに駆け上がった痛快がありましたが、さらに着実に強くなり、日本タイトルのレベルでも、その強みにますます磨きをかけています。



ただ、このクラスの世界というと、あのお方ですから、なかなか言えないところではあります。
とはいえ、あのお方の今後も考えれば、しばし先に、その次を伺う、ということは充分出来るでしょう。
それも踏まえてのフェニックスバトル出場だったのか、と考えれば、グリーンツダジム本石会長の舵取りは、極めて適切なものだと、傍目には見えますね。

あとは、その時までのキャリア構築です。国内にはWBAランクに入っている村田昴や、大橋ジムの強打、OPBF王者中嶋一輝がいます。
リングサイドには当然、大橋会長がいましたが、下町の闘いぶりをどう見たものか。中嶋で勝てると見たか否か...誰か、突っ込んで訊きに行ってくれませんか(笑)。
中嶋は奈良出身ですんで、大阪で興行してもお客さん来ると思いますし、また府立でやってもらってもいいかもですね。と、勝手なことを言う(笑)。


まあ、真面目な話、下町のライバルと言えば石井渡士也ですね。
前回の試合は、互いにある程度まで相手を攻略し、攻略された末に「お互い様」という感じのドローでしたが、やっぱり決着戦を見たいです。
そりゃ、あの9回は下町のTKOだろう、と言いたい気持ちもありますが、まあ、試合として凄く良かったんで、そこは抑えまして...(笑)。


コメント (3)
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