さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

「新生」目指す天才か、遠回りの俊才か 本日、田中恒成vs橋詰将義激突

2022-06-29 05:53:47 | 関東ボクシング




ということで、楽しみな試合があれやこれやとライブで見られた6月の締め括り、本日はひかりTVのライブ配信で、橋詰将義vs田中恒成の一戦です。


最短記録での三冠達成、しかし四冠めは完敗、己の未来をどう見定めるか、試行錯誤のさなかにある未完の天才、田中恒成。
その実力は日本上位にも充分、しかしブランクや移籍と、遠回りの末に、遂に真価を問われる大舞台に辿り着いた俊才、橋詰将義。


予想をすれば田中恒成有利、だとは思っています。
これまでの対戦相手のグレードが全然違うし、色々と試行錯誤のさなかにありながら、石田匠に僅差ながら勝つ。
田中恒成の地力は相当なものだと、多くが納得していると思います。

ただ、過去の戦績という部分を、スーパーフライ級だけ切り取ると、井岡一翔にTKO負け、石田匠に僅差勝利、この二試合だけ、であるのも事実です。
これをどう見るかですが...大一番に賭けてくるはずの橋詰将義にとり、それでも高い壁なのか。それとも。



公式には逆ですが、橋詰将義の立場は挑戦者です。
少なくとも、今回の試合で初めて、日本中のボクシングファンの眼前で、その存在価値を問われる試合に出ることになる...言ってみれば初の「タイトルマッチ」出場です。
だからこそ、体力や耐久力のベース、或いはその配分の仕方など含め、強敵相手との試合経験が少ない不安は大きいですが、この一戦に賭ける思いは相当なものがあるはずです。

そうした、未知数な部分は当然のこと、リーチを生かしたサウスポースタイルからの右リード、ワンツーからの組み立てと、柔軟な攻防の妙を、存分に見せて欲しい。
勝ち負け以前に、まずはそこに期待したいと思います。

移籍後の二試合では、リーチを生かして突き放し、間が詰められる前にアッパーを決める巧さが出ているものの、積極性が増した反面、足捌きに出る頻度が低めで、相手に踏み込まれて打たれる場面もけっこうあります。
そのあたりが、スーパーフライ級三戦目となる田中恒成と対して、どう出るかですね。


あと、あまり「本筋」に関係ない話としては、田中恒成が、興国高校→井岡ジム、という経歴の選手と三連戦、という試合でもありますが...それはさておき、それぞれに、これまでの闘いぶりをつぶさに見てきた選手です。
それがこういう形で、互いの未来を切り拓くために、互いの夢を賭けて闘う。
ボクシングという企まざるドラマ、その典型のひとつを、今夜、震えるような思いで見つめることになります。


もし、ひかりTVの配信なくば、馬鹿をやって、今日は遠足、とか書いていたことでしょうが(笑)
とりあえず自宅に居ながらにして、試合を見られるのですから、有り難いことです。
アンダーも色々、注目の選手が出ますし、大いに楽しみたいものですね。





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする