ということで昨日は月曜日ながら、ダイナミックグローブG+生中継。
WOWOWエキサイトマッチも録画レギュラー放送がありまして、とてもじゃないですが平日夜に両方見るとはいきませんでした。
当然、生中継優先、しかも中谷正義再起戦ですから、楽しみにしていましたが、始まったと思ったら終わる、という試合。
しかも、東洋圏内ではなかなかの強さを持つ、強打ハルモニート・デラトーレを、ほぼ寄せ付けず。
デラトーレは意欲充分、上体を動かし、ジャブから踏み込んで打ってきましたが、中谷動じずジャブを返し、早々にコンパクトなワンツーをインサイドへねじ込み、ダウンを奪う。
追撃は右から左ボディ、最後は左を上に返しましたが、これは不要。デラトーレ、ボディを打ち抜かれていてダメージ深く、立てませんでした。
KOタイムは1分16秒。
契約体重137ポンドということで、2ポンド分、身体付きも以前より逞しく見えた中谷が、世界と東洋の差を見せつけたという印象でした。
デラトーレはこれで、吉野修一郎と中谷、両方に初回KO負けをしたことになりますが、じゃあ弱い選手かというと違います。
アメリカでも試合経験がありますし、強打は日本の上位陣を脅かすものが充分にあります。
吉野戦でも、左フックのカウンター、一発で沈みましたが、それまでは強打を振るって迫り、吉野をかなり追い詰めていました。
短い試合でしたが、あ、これ強いな、と。そういう印象でした。
そして、今回も結果としては同じでしたが、内容はだいぶ違ったように思います。
とはいえ、デラトーレ自身は同じでした。初回から「見」の構えはなく、積極的に出て仕掛け、打ち込みに行く。
そして、吉野戦ではそれで流れを作りかけました。
しかし今回は、まったくそれが出来ず、撥ね付けられたかと思ったら、もう倒されていた。そんな試合でした。
もちろん日にちが違えば、同じボクサーとて別人だ、とは言えるでしょう。
しかし、同じ初回KOでも、中谷正義のそれには一分の隙も無く、完璧に力の差を見せつける、見事なものでした。
再び世界へ、と試合後のインタビューでも語っていましたが、そのステップとして、ファンのこちらが勝手に思い描いていた、吉野修一郎との国内好カード...もちろん、そんな構想が実際にあるかないかは知らず、なければそれまでの話なんですが、もし仮にその構想があったとしても、今回中谷が示した強さはあまりにも圧倒的過ぎて、その意味自体が揺らいでしまうんではないか。
そんなことまで感じるほどでした。
実際に世界の上位相手に通じた、名実ともに「世界ランカー」と言える実績を既に持つ中谷と、これからそれを手にしようとする段階の吉野、という違いが、間接的ながら明確に示された、と言えるのではないでしょうか。
もちろん、そうであればそれはそれで、組む意義のあるカードだと、変わらず思いはしますが。
何しろ、改めてお見事、短い試合でしたが見応え充分の、強烈な再起戦でした。
府立の地下を中心に、何度も直に見た選手ですが、アメリカでの3試合を経て、一回り大きくなったのだなあ、と見えました。感慨深いものがあります。
そして、後楽園ホールのリングで、「ホンモノ」の、ライト級世界ランカーの試合を見られた、という意味でも、見ものな試合、でしたね。
中谷正義の今後、まだまだ楽しみです。なんとか、世界挑戦へと辿り着いてほしいものです。