さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

いずれは日本の頂点へ、着実な一歩 宇津木秀、健闘の富岡樹をTKO

2022-06-15 08:09:52 | 関東ボクシング





連日の後楽園ホール、ライブ映像を見られる機会を得て、昨日も全試合とはいきませんでしたが、楽しく試合を見ておりました。
日本ライト級タイトルマッチは、宇津木秀がタイトル挑戦三度目の天才肌、富岡樹にリードを許しながら、中盤からペースアップし、7回、8回と打ち込んでTKO勝ち。
日本タイトル初防衛に成功しました。

若干アタマや揉み合いが目に付いたところもありましたが、決着への流れに向けては、双方レフェリーの注意を容れてか、クリーンな打ち合いを見せていました。
宇津木はパンチ力があり、派手ではないが精度の高いコンビがショートで打てて、身体も強い。
日本チャンピオンとして十分の安定感、そして初防衛戦にして貫禄めいたものさえ感じるほどでした。

もっとも、日本人全部ひっくるめて、ライト級の頂点はといえば、やはり前日その強さを見せつけた中谷正義、そして吉野修一郎と続き、さらに伊藤雅雪の実績もまだ無視は出来ません。
しかし、この「上」にいる三人のうち、中谷はまだ厳しいにせよ、吉野ないしは伊藤となら、今すぐ組んでも、無理を感じることはない、と。
宇津木秀はすでにして、そこまでは来ている、と思います。

もちろん本人も、内心はそういう闘志を秘めていることでしょう。
いずれは頂点たる中谷正義を倒し、そしてさらにその上を、とも。
その到達点がどこなのかを、今、断じる眼力などありませんが、宇津木秀は今回、着実に一歩、前に、上に、歩を進めたと思います。



対して痩身の富岡は、スピードやセンスに秀でているが、王者クラスを決定的に止めるパンチ力に欠け、逆襲を凌ぎきれず、という形で敗れました。
その闘いぶりはカラフルで、なおかつ闘志に溢れていて、非常に目を引くものがあるのですが、骨格がかなり細いように見えて「当たり」負けする感じが出てしまうのが残念です。

これまでどおり、いや、これまで以上に健闘したと思うのですが、勝負の世界の厳しさです。
また、日本ライト級のレベルが、富岡が持つ秀でたセンスのみでは、チャンピオンに到達出来ない...いくつかの欠落を見逃してはもらえない、というところまで高まっている。それも確かです。



セミファイナルのベテラン対決は、近藤明広が麻生興一を2回、テンプルへの右フックで効かせ、追撃でTKO。
数多の激闘で知られる両者、ことに信じがたいような逆転劇を何度も演じてきた麻生でしたが、序盤に大ピンチを迎え、そのまま仕留められてしまった、という試合。
両者ともに、キャリアや年齢を考えれば断崖に立つもの同士でしたが、生き残ったのは近藤の方。
短くも壮絶な闘い、そして決着でした。




その近藤と二度闘った荒川仁人、ジャパニーズ・ロッキーの異名をとった米大陸での奮戦で知られますが、引退式が行われました。
引退表明の際に、思うところは書きましたんで、改めて付け足すことはないですが。

その引退表明からずいぶん経っていますが、コロナの影響もあり、先延ばしになっていたんでしょうね。
ダブルタイトルということもあり、盛況だったホールでの開催となり、幸いなことでした。



コメント (2)
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