さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

緊迫の技術戦、再び 井岡一翔、難敵ドニー・ニエテスと再戦

2022-06-02 15:14:45 | 井岡一翔




嵐のような6月が始まったところですが、来月13日、井岡一翔とドニー・ニエテスの再戦が正式に発表されました
大田区総合体育館だそうですが、大阪に居た頃に、当時の所属ジムがこのカードを受けていたなら、府立第一でより盛大に行われていただろうと思うと、少し残念な気もします。


3年半くらい前ですか、マカオでの初戦、本当に接戦だと見えましたが、再戦はなかなか行われませんでした。
井岡がWBOランクを中心に、毛色の違う上位陣と闘い続けていたので、あまりそれ自体に不足は感じませんでしたが、やはりニエテスが他の誰かに負けたわけでもなく、その実力もまだ健在と見えるだけに、井岡にとっては果たさねばならない雪辱のための、重要な一戦であるはずです。


ニエテス、昨年末のサニー・エドワーズがメインの興行生中継でアンダーに出ていて、何故か引き分けでしたが内容的には普通に勝ちと見えました。
ざっと見ただけですが、技術も体力も、目に見えて衰えたという印象が残るでなし。
長身のノルベルト・ヒメネス(河野公平とドロー)がどたばたした闘いぶりだったせいもあってか、無理しなかった感じ。
右カウンターの好打が何度もあり、ポイントは抑えているという判断をしたのでしょうが。

軽量級で40歳という年齢ですから、普通ならもう数年前に、目に見えて「ガタ」が来て(言葉は悪いですが)いても、何の不思議もないところ。
ただ、敢えて粗を探せば、ヒメネス戦や、その前のパブロ・カリージョ戦でも、決定打を打ち込んで試合を決める、ということは出来ていない。
ヒメネス戦では、右カウンター狙いのタイミングが若干...ずれている、とは言い過ぎでも、ちょっとリスキーかな、と見えるときもありました。


しかし、総じて言えば、いまだに井岡にとり、かなりの難敵だと思います。
井岡と距離の違いがほとんどなく、身長、リーチなど、井岡の手の届く「寸法」に収まる「枠」の中でボクシングをする、小柄な選手。
そして、そのような選手に対しては、まず巧さで劣ることがない井岡を、唯一巧さで上回って勝ったのが、ニエテスなのです。


もちろん3年半あまりの間に、より強い相手に、充実した試合を重ねてきたのは井岡の方です。
その積み重ねの差が、再戦のリングにおいて出るかもしれません。
しかし、具体的に、前回と目に見えて違う何かを、リングの上で具現化できるかというと...やはり相手の質の高さという一点において、なかなか難しそうですね。



前回の試合は、マカオで数少ない観客を前に行われた、異様なロケーションでしたが、試合自体は地味ながら緊迫した内容でした。
あの時、彼我の差はともかくとして、井岡が「見る人が見れば、わかる」という方向に深入りし過ぎたかな、という印象を持ちました。
もし、今回も接戦となるなら、井岡がちゃんと観客が入ったホームリングの雰囲気も加味して、よりクリアな勝利を掴み取る流れを作れるかどうか。
或いはニエテスが、その僅かながら確かにあるはずの不利を、衰えぬ技巧で撥ね返すのか。


基本、派手な展開にはならさそうですが、いざ始まったら、目を離せない緊迫が、またも12ラウンズに渡って繰り返されるだろう、と想像します。
さいわい、TBSさんが生中継してくれるとのことで(こんな時だけ「さん」がつく)、じっくり、腰据えて見よう、というところです。


そういえば堤駿斗のデビュー戦がアンダーで入るんでしたっけ?これも何とか、見たいものです。
あ、でもメインが判定だと、時間ないのか...こういう心配をせねばならないところが、ネット配信と違って、TVの弱味ですね。




コメント (5)
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