さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

130ポンド級の「標的」も新たに ジョセフ・ディアス、お馴染みファーマーに打ち勝つ

2020-02-07 00:25:13 | 海外ボクシング




ということで今頃感想文ですが、先週金曜のDAZN配信試合、ふたつめ。
IBFスーパーフェザー級タイトルマッチは、尾川堅一戦で見て以降、何度も試合を見ているテビン・ファーマーが王座転落。
挑戦者ジョセフ・ディアスは2回に酷いカットを喫しましたが、カットマンの腕が良いのか、出血は最小限。

サウスポー対決でしたが、ファイターのディアスがボディ攻撃と左クロスの好打で徐々に打ち勝つ。
7回は打ち合いで完全に勝り、終盤は右フックの好打も目立つ。
ファーマーは離れて捌くのでなく、距離を詰めて打ち合ったが、ディアスのファイターとしての持ち味、そして闘志を引き出してしまった感あり。
判定は3-0でディアス。妥当なところ。


このクラスもまた、日本に「挑んでみたら」という選手がいるにはいる。
ただ、伊藤雅雪が休養を強いられ、尾川堅一は先の試合では不安ばかりが目に付き、日本王者は坂晃典が次、初防衛で、地固めの段階。
OPBF王者三代大訓も、国内上位、ランカーとコンスタントに闘い、結果は出しているが「アピール不足」の内容ではあるか(今でも「上」に当ててみれば、案外健闘するのでは?という気もしますが)。
総じて、今の日本スーパーフェザー級シーンは、狙い目がいたとしても、すぐ挑みかかる、という「体勢」にはない、と言えそう。ちょっと残念。

世界を見ると、WBCミゲール・ベルチェルトは頭一つ抜けている感じですが、WBOジャメル・ヘリングと共に、このディアスも、万全の「日本代表」が決まっていれば、充分攻略出来る、と思うのですが。
それこそ離れて突き放し、時折しっかり叩いて、という、クリストファー・ディアス戦の伊藤ならば、と思うところです。



金曜DAZNのみっつめ、メインのWBOミドル級は、デメトリアス・アンドラーデがルーク・キーラーを9回、TKO。
ダース・ベイダーのお面を被ってリングインしたアンドラーデ、初回、ゴング直後に得意の左で倒し、これが効いて反応が鈍かった?キーラーを2回にも倒す。
左のパンチは、その都度、軌道というか「通り道」を変えて打っていて、この辺は巧いところ。

しかし何か原因か知らんが、有利な状況なのにドタバタしてて、しっかり狙えず、キーラーの立ち直りを許す。
右フックなんかは、身体を逃がしたいのはわかるけど、打つと下向いてしまうんで、その度に攻撃のバランスが途切れてしまう。

中盤以降は、いつもどおりの、見映えの悪いアンドラーデ劇場でしたが、9回、左好打から右フック、アッパーでラッシュしてストップ。
フィニッシュに持ち込めたのは良いですが、なんか変に力んで攻めた結果で、相手との差、序盤から効かせたから出来たこと、という印象止まり。
ビッグマッチへの意欲、と見るべきなんでしょうが、これではなぁ...という感じ、でもありました。

このクラスにも、村田諒太という存在がある以上、もし対戦したら、と想像...するだけ無駄、かもしれませんが、実際闘ったら、なかなか難しいだろうなあ、と思います。
先制攻撃が鋭く、そこから先は相手の挽回を許さない展開構築、勝ちパターンを持っています。
下向くのも平気、そこからの揉み合いにも慣れきっているスタイル、村田がそれを攻め崩せるものかどうか、ですね。




考えたらこの日、配信された3試合、いずれのクラスも、日本に何らかの形で挑戦してもおかしくないレベルの選手がいました。
そういう観点で見てみると、もちろん細かいところに差があり、参考にするべき部分もあるかもですが、昔日のことを思えば、その差は縮まっているなあ、とも思います。
ことに岩佐亮佑の挑戦が実現するなら、これは大いに期待ですし、日本ボクシング界においても好選手が多いスーパーフェザー級もまた、今は少し落ち気味の時期かもしれませんが、上位同士のカードを経て、世界に挑む選手が出るでしょう。その日を楽しみに待ちたいものです。



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ということで、一曲。
花田裕之「ゼロへの旅」。







コメント (3)
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