ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

ワインと外交

2007年06月07日 | 読みました
             白いアジサイ
        色の変化はほとんどありません
          昔の日本のアジサイです

「高校3年生がトイレで赤ちゃんを産む」
こんなにショッキングな話はありません。18歳の子が妊娠しているのに周りが気付かなかったという事が二重のショックです。

ご両親が、特に経験ある母親が気付かない事があるのだろうか。今は家庭にお風呂があり、一人ずつ入るので、娘の身体を見る機会も少ないのかも知れません。しかし妊娠と言う特異な体型になることです。解らないはずが無いと思うのですが。母娘の間にたとえ断絶があったとしても、人間食べなければ生きていけませんから、食事は一緒だったのでしょう。つわりも無かったのだろうか?どうにも理解できません。

相手の男性は如何思っているのだろう。女の子は相手に話したのだろうか?嫌われるのが恐くて話せなかったと言う事は無いのだろうか。

「エッチ」と言う言葉の軽さが、行動の軽さを呼んでいないだろうか。余りにも安易な性の描写の氾濫が招いた事件ではないか。「反面教師」と言う言葉もある、愚かな大人を真似しないで、若い人らしい楽しみを見つけてもらいたい。

         ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

         ワインと外交  西川恵 

西川氏は1947年生まれと言うから、同じ干支の猪、一回り下なので今年「還暦」と言う事になる。同じ干支と言う事で何となく親しみを感じる。

毎日新聞に入社。パリ特派員の時、エリゼ宮での大統領と外国首脳の会談を取材していて、会談に付属する饗宴が、実は「形を変えた政治」だと気が付いた。其の時の経験を帰国してから「エリゼ宮の食卓」と言う本に纏めた。この本でサントリー学芸賞受賞。

あとがきに「ワインと外交」では取材の対象を国際政治全体に広げ、テーマごとに各国首脳の饗宴外交を追って見た。

饗宴に供されるワインや献立が、其の時の主賓の重要度を示しているとは知らなかった。どの人に対しても同じもので(材料は違えど)料理にランクがあるとは思いもかけないことだった。ワインにもランク付けがあり、料理に合わせることは勿論だが、飲み物の好き嫌いではなく、品物のランク付けが成されている。

題名にある通り「ワイン」について丁寧な説明はあるが、ワインを嗜まない私にとって、説明は「猫に小判」の観がある。ワインが好きな方ならば理解なさるのだろう。

ホワイトハウスの饗宴で「コウベ牛のフィレステーキ」と言うのが出てきて「へ~」と思った。勿論アメリカ産でコウベ牛の育て方で育てられた牛だそうですが。

ゲストとして迎える外国首脳の中でプロトコールの「最も難しいのは中国」だそうだ。空港への出迎え、記者会見中のテレビカメラの壱、饗宴の性格、メニューの内容、其の執り運び方、最後の見送りと、細部にわたって注文がつく。

日本訪問の時も朱首相は新幹線で東京から神戸に移動し、中国革命の父・孫文ゆかりの洋館「移情閣」などを訪れることになっていた。新幹線を大阪で乗り換える(新神戸に止まらない為)ことになっていた。「新大阪駅止まりの列車を新神戸まで走らせれば良いではないか」と言ってきた。日本側がそれは不可能と幾ら説明しても納得しなかった。結局どうなったかの記述は無い。如何解決したのであろうか。

何故中国はこだわるのか。中国の首脳にとって外交こそが国内に向けて権力を見せる最良の機会だからだそうな。

なるほど、なるほどとお勉強させていただいた本でした。
コメント (2)
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