Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ブラジルの光、家族の風景 大原治雄写真集

2016-07-20 21:30:13 | 
日曜の朝は日曜美術館を見るのが楽しみなのだが、5月に紹介された「大地が育てた写真 ブラジル移民 大原治雄(はるお)」と6月にやはり紹介された「沖縄 見つめて愛して 写真家・平敷兼七(へしきけんしち)」の二人の写真家の作品は画面を通して見てもその印象が強烈で、全く違う作品ながら、強く印象に残った。
平敷兼七の作品集は残念ながらもう手に入らないようだが、大原治雄の作品集に関しては本屋に問い合わせたところ、在庫はないが既に増刷が決定しているということだったので注文をしていた。案外、早く本が届いたという知らせが来て、勇んで取りに行き、早速開いてじっくり眺めた。

知られざる、ブラジル移民のアマチュア写真家・大原治雄(1909-1999年)。その写真に記憶されているのは、愛おしく宝物のような日々。カメラを手にしてはじめて撮影した、妻の面影—。
2016年、高知県立美術館・伊丹市立美術館・清里フォトアートミュージアムで「大原治雄写真展—ブラジルの光、家族の風景」開催。ブラジル屈指の写真史料アーカイヴズであるモレイラ・サーレス財団に作品が収蔵されている唯一の日本人作家、"Haruo Ohara"。その貴重なモノクロ写真180点を収録した、日本ではじめての写真集。
「大原にとって写真は、人々から彼に向けて預けられた人生に、責任を持って尊厳と美を与える行為にほかならなかった」―今福龍太(批評家・人類学者)「解説『 瞬間の歴史』を証す人」~ 出版社説明文より

番組の中では大原治雄の移民としての人生と写真家としての彼の姿とが交錯していたのが印象に残ったが、その作品のみを一冊の写真集として手にとって眺めると、その一枚一枚から想像を超えた大地と空の広さとそして滲んでくるユーモアとが感じられてまた印象が深まった気がする。いつもすぐ手の届くところに置いておきたい一冊となった。

画像は日本ブラジル中央協会のHPからお借りしました。⇒こちら
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