2021年/179分/日本
監督:滝口竜介
原作:村上春樹
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生 パク・ユリム、ジン・デヨン、ソニア・ユアン 他
ストーリー:脚本家の妻を突然亡くした舞台俳優の家福。二年後、喪失感の拭いきれない彼は、演出を任された演劇祭に愛車で向かった先で、専属ドライバーのみさきに出会った。口数の少ない彼女が運転する愛車で過ごす時間の中で、家福は妻の残した秘密に向き合っていく。
鑑賞前は上映時間3時間か、と少しばかり構えていたのだが、観始めたら作品の時間の流れ方が心地よく観終わった時には大事な時間を過ごしたという思いに心が満たされていた。
お話が続いている中に幾層もの(たとえば劇中劇であったり)重なり合うのがまた面白く、話に深みと幅を与えているように思えた。
そして、この映画の間中ずっと音楽を感じていた。それはそこで音楽として流されるものだけではなく、もっと広く、作品の中で聞こえるすべての音に対して、無音の状態の中にも音楽があって、それらすべてが音楽だった。
鑑賞中に色々な感情が心の中に沸き起こるのだけれど、観終わった後に私の心に刻まれていたのはやわらかな希望、励ましだった。心に残ったこの感情を胸に抱え、暗闇から一転して明かりがつけられ現実の世界に戻された劇場を後にした。
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