Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

明るい瞳

2007-10-28 23:58:21 | 映画 あ行
               *公式サイト
2005年/フランス/87分
監督・脚本:ジェローム・ボネル
原題:Les Yeux Clairs
出演:ナタリー・ブトゥフ/マルク・チッティ/ジュディット・レミー/ラルス・ルドルフ/オリヴィエ・ラブーダン /ポーレット・デュボスト/エリック・ボニカット

観てから随分、時間が経ってしまっているのだが思い返すたび、そこで聞いていた音、そして映像が瑞々しく心に蘇る。
前半はいかにも「普通の」人々の間で生きることが窮屈そうで、苛立ち、とんがっていたファニーの姿にこちらの呼吸が浅くなってしまったが、兄夫婦の下から飛び出しドイツで眠る父の墓を訪ね、ドイツの深い森に旅立った後半は一転、彼女が見出した世界に安らぎを覚え深く呼吸していた。
そこで聞こえてきたのは木を揺らす風の音、深い森に響くそこで生きる鳥・虫の音、水の音、人の声、古いピアノの音。そして、その音に彩られ静かな光りに溢れた世界を目にする喜び。自然の呼吸を感じ、人と自然が呼応する一編の映像詩を心から楽しんでいた。
言葉を超えて人と人とが通じるものが確かにこの世の中にはあるのだと思えただけで心がふんわりする。現実にはありえない理想郷かもしれないけど、夢がなければ、生きられないもんね~!と。

帰宅して、彼女が弾いていたシューマンの「子どもの情景」を引っ張り出して「子どもは眠る」を弾いてしまった・・・。ミーハーだなあ~、しかし、いい曲♪
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2 コメント

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ドモドモ-♪ (Puff)
2007-10-29 19:13:17
こういう映画って、時間が経っても色褪せることなく、
何時までも心に残りますよねー
んー、良い映画でした。

前半は観ていて辛いものがありましたが、
でも、後半になって一転して・・・!
深い緑の森の中に自分も一緒に横たわっていたいような、
あの静かで美しい自然の呼吸を彼らと共有したい気持ちになりましたヨ・・・♪
ラストの〆方も良かったですよね。
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Puffさま! (rubicone)
2007-10-29 23:57:04
そうですよね~じんわり心にしみてきて、何かの折にふっと思い出すと深呼吸したくなります。
しかし、あんな深い森には、人知の及ばない、なにか大きな「力」或いは「もの」が、やっぱりあるのだと思いません?ずっと、ああいうところに住み続けていたら、仙人になるかも・・・、なんてすっかり物語りに浸ってしまいました。

>ラストの〆方
余韻があって、にくいなあ~!って感じでしたよね~
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