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2007年/フランス/95分
原題:Persepolis
監督・脚本:マルジャン・サトラピ&ヴァンサン・パロノー
音楽:オリヴィエ・ベルネ
声の出演:キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ダニエル・ダリュー、サイモン・アブカリアン、ガブリエル・ロペス、フランソワ・ジェローム
『1970~90年代の激動するイランを舞台に監督自身の反省を綴った<少女マルジ>の成長物語』チラシより
激動するイランを縦軸に、歴史に翻弄されるマルジの家族、そしてマルジ・母・祖母という母娘3代の絆を横軸に、その中で悩みつつ成長していく少女マルジがモノクロームのくっきりしたしかも丁寧で人の手を感じさせるアニメーションによっていきいきと描かれる。
イランのパーレビー王朝の崩壊、革命政府の樹立、イラン・イラク戦争、その終結というその一連の外郭だけは、マスコミによって知らされていたけれど、その中で苦しむ人間の姿は全く伝えられなかったのだということに愕然とする。特に女性に対する激しい差別、人権無視には唖然とする。ただ、これは自分が属している世界と比べての中でしか判断の基準を持たないのでそう感じてしまうのだろうか、と思ったりもする。
しかし、ここに登場するマルジの祖母の毅然とした態度、ジャスミンを香らせ、常に身だしなみを整えている素敵な姿、「いつも公明正大でいるんだよ」とマルジに言い聞かせる言葉が深く印象に残る。
そしてマルジの両親。彼女を想う強い気持ちがひしひしと伝わってくる。特に彼女を送リ出す空港でのシーンはその心中を思うと胸が一杯になる。
家族、両親の愛を一杯にして育ち、そしてウィーン留学の中でアイデンティティの喪失と復活を通して苦しみつつ自我を確立していくマルジ。しかし、マルジはイランの国の身分・階級ということは全くわからないが、相当恵まれた環境、特権階級に所属しているのではなかろうか、と思う。でなければ、あの混乱の時代にウィーンに留学して何の支障もなく長期間生活できなかっただろう。そういう彼女が、新たな決意を胸に今一度イランを旅立とうとする姿に「幸多かれ」と思わず願っていた。
アニメーションでしか描けない世界がここにある~
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とっても寒いです!!
夕方歩いたら迎え風だったので体が前に進みませんでした・・・・・
>モノクロームのくっきりしたしかも丁寧で人の手を感じさせるアニメーション
ね、あのモノクロが何とも新鮮で、でも何処か懐かしさも感じるような、
CGでは作り出せないぬくもりがありましたよね。
ワタシもパーレビー王朝以後のことは大まかに知ってましたけど、それはニュース等でざっと知る位で。
このアニメを観て改めてそこに生きる人々の生活を身近に肌で感じたのでした。
味わい深いアニメでしたよねん。。。
しかし、イランの内部で起こっていたことが、あのモノクロのアニメーションで積み重ねられ、とってもリアルに感じられましたよね~。時折、入るカラーの部分に、あっ、今までモノクロだったんだ、と改めて気付かされたりもして・・・。
>CGでは作り出せないぬくもり
ほんとに、そうでした!そうでした~!!