Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

画家と庭師とカンパーニュ

2009-04-23 23:46:44 | 映画 か行
              
2007年/フランス/105分
原題:Dialogue avec mon jardinier
監督:ジャン・ベッケル
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジャン=ピエール・ダルッサン、ファニー・コットンソン、アレクシア・バルリエ、ヒアム・アッバス、エロディ・ナヴァール

都会での家族との生活に疲れ、生まれ故郷に戻ってきた画家のキャンバス(ダニエル・オートゥイユ)。荒れ果てた庭の手入れに来てくれたのは、かつての幼なじみであるジャルダン(ジャン=ピエール・ダルッサン)だった。2人は自分たちの人生を語り合いながら、仕事に生きがいを見いだし、幸せで穏やかな日々を過ごすが……。(シネマトゥデイ)

深い緑色をした水の上に浮かぶボートの上の中年男性二人の弾ける笑顔とその水辺を囲む緑の輝きが印象的なチラシにずっと惹かれていた。
小学校の時のいたずら仲間だったキャンバスとジャルダンは小学校卒業後、全く別々の道を歩んできた。パリで成功した画家キャンバス、ずっと故郷カンパーニュで国鉄に勤務し退職後は庭師として働くジャルダンが再び出会うのは思い出深いカンパーニュ。二人は出会い、そして語り合い、新たな友情を育んでいく。様々な緑が美しいカンパーニュの自然の中で深まる絆。殆どの場面、二人の会話だけで成り立つこの作品、彼らの語る過去の出来事も思い出も彼らの会話から映像となり動き出す。
緑のバイクに乗ってやってくるジャルダンに、カーブのところから吠えて一緒に走っていく小さな犬、荒れていたキャンバスの庭はジャルダンの手により次第によみがえりすくすくと野菜が育っていく、そしてきらめく水面にボートを浮かべて釣りをする二人の少年のような笑顔・・・。小さなエピソードの積み重ねが忘れられない余韻を残す。しみじみとした静けさと温かい情感に満ちた二人、二人とその周りの人々との絆をカンパーニュの緑の風の中に感じて胸が一杯になる。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 旧石川組製糸西洋館 ② | トップ | シェルブールの雨傘 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カンパーニュ (Puff)
2009-04-25 21:44:13
ホント、良かったですよねぇーー!
静かな感動作と言うか、
観た後は、じんわ~りと胸に染み入るものがありました。

実は観る前は「カンパーニュ」は仏語で言うところの
パンの名前かと思っていたのです。笑
仏後で「田舎」を指すのですね。ポリポリ
思わず自分もあの風景の中に身を置いたような、
そんな気持ちになりました!
返信する
Puffさま! (rubicone)
2009-04-25 22:55:30
ですよね~
>観た後は、じんわ~りと胸に染み入るものがありました。
生きるって素晴らしい、と何のてらいもなくほんとに素直に言いたくなるそんな気持ちになってました。

ところで、カンパーニュ=田舎!!私はある限定された地域を、彼らの故郷・カンパーニュという風に思い込んでおりましたよ~!Puffさん、ありがとう
返信する

コメントを投稿