Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

歌の玉手箱

2011-05-25 23:28:58 | 音楽会
先日、伴奏させていただいているバロック時代の歌を歌うというその名もズバリ『バロック研究会』で『イタリア歌曲集:第一巻』(全音楽譜出版社)36曲全曲を演奏する音楽会が開かれた。
しかし、イタリア歌曲集とはいうものの、表紙にはイタリア語表記で"Arie antiche Italiane"とあるように「作品のオリジナルはほとんどが17、18世紀のオペラや宗教曲のアリアであり、歌曲ではない」(Wikipedia)のに「歌曲」と呼ばれているある意味、不思議な曲集である。しかし、声楽の学習者の殆どはこの曲集を一度は手にし、歌っているというほど、日本ではポピュラーなものだ。(かくいう私も高校時代から通わせてもらった声楽のレッスンでイタリア歌曲を歌えるようになった時は、そりゃあ嬉しかった、それまではひたすら練習曲の積み重ねをしていたのだ。しかし、その頃に習った歌の歌詞は今でもすらすら出てくるんだなあ。逆に最近、覚えたものは直ぐに忘れてしまうのは何故?)
そんなわけで身近にありながら、全曲を一日で演奏するという機会に恵まれたのは今回が初めてだった。36曲を18曲ずつ一部・二部に分け途中15分の休憩を挟み7人のメンバーが歌い継いでいくというこの音楽会。どの曲も知っていたようでいて、今回初めて弾いた作品もあり、知っていた作品でも歌い手によって全然違う表情を見せるのも面白く、実に新鮮で興味深かった。こうして全曲弾く機会に恵まれて、その一つ一つの曲の持つ音楽の底の深さ、そしてしなやかさをつくづく思い知らされたというか再確認できたというか。歌い手の思い、解釈の仕方によって軽やかにも重くも、甘くも辛くも清らかにも自在に変化し全く違う表情を見せることに、そしてバラエティー豊かな作品が集められ散りばめられているこの一冊はまるで歌の玉手箱を開けたようだ!とどっきどきしたのだ。
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2 コメント

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とっても聞きた~~い (kon)
2011-05-30 22:14:55
そんな音楽会があったんですか??
ぜひお聞きしたかったですね~~。
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konさま~♪ (rubicone)
2011-05-31 00:26:10
なかなか、あの一冊全部を聴く機会って、そういえばないですよねっ。今度、こういう企画がありましたら、是非聴いていただきたいですぅ。
しかし、イタリア歌曲は素晴らしい!!
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