2006年/ポルトガル=フランス/70分
原題:Belle Toujours
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
出演:ミシェル・ピコリ、ビュル・オジエ、リカルド・トレバ、レオノール・バルダック、ジュリア・プイゼル
東京国立近代美術館フィルムセンターで開催されていたEUフィルムデーズ2010。日替わりで興味深い作品が、数えてみると22作品、並んでいたがその中で鑑賞したのは「昼顔」から38年後に再会したアンリとセヴリーヌの話「夜顔」。
観終わって友人が開口一番、
「あ~、こんな美しいフランス語久しぶりに聞けて嬉しい!最近のフランス映画のフランス語は全体すごく早口でずずっとつながってる感じだったから、余計に美しさが際立って感じられた」
そういえば、字幕見ながらスペイン語だとこう言う、この単語は発音の違いか、とか聞こえたのは、そうか、そういうことだったのか!!と納得。
とにかく、会話が密で、空気と共に会話が濃くなるような、会話が纏わりついてそれが息苦しくなるような感じがする。そして、ふっと会話が途切れた時間が、会話のない会話を交わしているうな、意味のない沈黙がないような・・・。友人曰く、フランス人にとってレトリックは人生で最重要、にこれまた深く納得。
そんなことを心に留めながら時間が経って思い出す度、いつまでも喉に小さな魚の骨が刺さっているという幻影、もうとっくにそこにはなくなっているのに、を見てしまうような、不思議にひりりとした感触が残る。
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