Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

最近読んだ本

2015-02-24 22:17:09 | 
友人が海外にいた時にこのヴァイツゼッカー大統領の演説を聞いて感動し、その後刊行された岩波ブックレットで読み、そして彼が亡くなったニュースを聞いて改めて取り出して読み返し、そこに書かれている言葉が全く古さを感じさせず、それどころか現在にも通じていることに改めてこの演説の深さを思い知らされた、と言う。
恥ずかしながら読んでいなかった私だが、今が私にとってこの本を読むときなのであろう、と本屋で見つけて(平積みされていた!)読んでみた。

新版 荒れ野の40年 ヴァイツゼッカー大統領ドイツ終戦40周年記念演説 (岩波ブックレット) 単行本 – 2009/10/7
リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー (著), 永井 清彦 (翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
「若い人たちにお願いしたい。他の人びとに対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないようにしていただきたい。敵対するのではなく、たがいに手をとり合って生きていくことを学んでほしい。われわれ政治家にもこのことを肝に銘じさせてくれる諸君であってほしい…」第二次大戦後40年を迎えたドイツで、対立を超え、寛容を求め、歴史に学ぶことを訴えた伝説的な演説があった―。好評既刊を、解説をリニューアルしてお届けします。

まさに友人が語った通り、現在の状況を考えると怖くなるほどヴァイツゼッカー大統領の言葉が重く感じられる。
「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります」という一文は、今だからより重く思われてならない。そしてこの新版の「解説-若い君への手紙」も演説の行われた背景と歴史、ヴァイツゼッカー大統領の話を織り交ぜこの演説をより深めてくれる。

私は最近の作家の作品はそんなに積極的に読んでいないのだが、この星野智幸氏の作品はいつか読もうと思っていた。
本屋で探したらエッセイ集「未来の記憶は蘭のなかで作られる」があったのでそれから読むことにした。新聞、雑誌に書かれたエッセイが2014年から年代を逆順に1998年まで並べられている。書かれている内容は多岐にわたりユーモアも交えて語っているが、どんなに時が移っても変わらない彼の文学、そして言葉に対する決意に打たれる。読み進んで行くうちに現在の閉塞された状況がずっと続いていることに思い当たったし、そして、私としてはそういうつもりがなくて選んだ2冊だったのに、過去というものについて、ここでも考えさせられている。

未来の記憶は蘭のなかで作られる 単行本 – 2014/11/8
星野 智幸 (著)
内容(「BOOK」データベースより)
過ちは過去を忘れることから始まる―。デビューから現在に至るまで書かれてきたエッセイを精選。作家の源流をたどる始まりへの旅として、待望の初エッセイ集。
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