原題:Che: Part Two Guerrilla
2008年/スペイン・フランス・アメリカ/133分
監督・撮影:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ベニチオ・デル・トロ、ベンジャミン・ブラット、フランカ・ポテンテ、ルー・ダイアモンド・フィリップス、カリル・メンデス、ジュリア・オーモンド、エドガー・ラミレス、カタリーナ・サンディノ・モレノ、デミアン・ビチル、ロドリゴ・サントロ
印象に残る無音のエンド・クレジットが全てを物語っている気がした。
その悲劇的な終末に向かって、一直線に駆け抜けていったチェの姿に胸締め付けられる。
信じるものは人間、と答えた彼の心の奥に秘められた、革命家としての強さと、現実を目の前にした測りしれない絶望の深さを思う。
ボリビアのジャングルの密集した木からのぞく遠い高みにある空の青さ、その高さが、少しずつ少しずつチェの目論見と食い違っていく距離を感じさせ、またその森の深さが実現しそうでできないチェの理想像との差を如実に語っているようだった。
ボリビアについてのWikipediaの記事を読んでみると、この時代チェの登場は早過ぎたのだろうか、と思えて・・・歴史に「もし」はナンセンスだけれど、やはり考えてしまう。
そして、当たり前なのだけれど『チェ 28歳の革命』と『チェ 39歳 別れの手紙』はやはり一つながりで鑑賞すべき一つの作品だと思うのだ。
そうですね、無言のエンドクレジット・・。心に沁みました。
最後まで席を立たずに見よう、と思っちゃいました。
信じるものは人間、て強い言葉でしたよね。
皮肉やペシミスティックな物の見方なんて、信じることに比べたらすごく簡単なことだなあ、なんて思いました。
淡々とした話の運びの終わりに何が待っているのかわかっているのに目をそらすことができずに観続けていました。そして彼自身もその最期を予感していたようでしたね。あの過酷な状況の中で、なお人間を信じると言い切るチェ。信じる、って突き詰めれば愛なんだな、なんて思いました。きゃっ、なんか文字にしたら、ちょっと照れるぅぅぅぅ。