Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ザ・バンク 堕ちた巨像

2009-04-17 00:16:40 | 映画 さ行
            
2009年/アメリカ/117分
原題:THE INTERNATIONAL
監督・音楽:トム・ティクヴァ
出演: クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミュラー=スタール、ブライアン・F・オバーン

あらすじ:ルクセンブルクに拠点を置く国際銀行、IBBC。この銀行の不審な取引情報をつかんだインターポール捜査官のサリンジャー(クライヴ・オーウェン)とニューヨーク検事局のエラ(ナオミ・ワッツ)は本格的な捜査に乗り出すが、核心に迫ろうとするたびに関係者が消されてしまい……。(シネマトゥデイ)

ずっと緊張した場面が続き目が離せない!!
利益になること、利益になりそうなことであればすべてに絡んでいく欲の塊のような巨大銀行の姿にマネーゲームに狂乱する姿を見て、暗い気持ちになる。そうしたマネーの前には人の命も、国の運命もまるで意味がないものとなっている怖さ。この作品は幾多の犯罪スキャンダルで破綻した実在の銀行BCCIをモデルとしているそうで、現実にこうしたことが起こっているのだ、と思うと背筋が寒くなる。

話は深刻でサスペンスフルなのだけれど、その映像は舞台をベルリン、ミラノ、ニューヨーク、イスタンブールと変わり、これがそれぞれの都市毎に目を楽しませてくれるのだ。
ミラノでの演説シーンを上から眺めてる映像、集まる人々の髪の毛の色が黒いな・・・なんてふっと思ったりしながら・・・それがわっと集まり、そしてぱっと散っていく。
そして何とも派手なニューヨーク・グッゲンハイム美術館内での銃撃戦。螺旋、煌くシャンデリア、思わず息をのむ迫力。
イスタンブールで屋根の上に広がる地上の道以外のもう一つの屋根伝いに続く道には驚かされた。連なる屋根と対照的にそのはるか向こうにくっきり姿を現すモスクがいかにも静かで平和に画面に映し出されることで、強く乾いた悲しみを感じていた。その静と動、聖と俗の対比にどうしようもない虚無感を抱かされる。
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2 コメント

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良かった! (Puff)
2009-04-22 17:37:06
見応えある映画でしたね!
実際の事件をモチーフにスリリングなサスペンスと激しい銃撃戦。
単なるアクション映画に留まらず、
いろいろと考えてしまうところもまた良かったでしたね。

>連なる屋根と対照的にそのはるか向こうにくっきり姿を現すモスク
そうでした!
あのシーンが妙に印象に残るのはこういったこともあるのですね。
グッゲンハイム美術館と共に心に残るシーンでした。
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Puffさま~! (rubicone)
2009-04-22 22:41:26
ずしん!ときましたよね~。今の時代だから余計にリアリティがあって、何やら背筋が寒くなってしまうような、そんな恐怖を感じました。
実在した銀行の事件が元になっているというんですもの、ますます、ぞぞ~っ、でした。

でも、その映像は、見事でしたよね~!!各地の名前とともにぱあっとその景色が思い出せるんですもの。その中でも、グッゲンハイム美術館とイスタンブールの屋根のシーンは白眉でした。あんな風になっているなんて!!
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